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Re: 逆ギレマスカット【大地のイラスト描いてみました(*≧艸≦)】 ( No.203 )
日時: 2013/08/14 13:16
名前: 冬の雫 (ID: JxRurJ5z)

15.5 金髪王子の運命2

「……はぁっ…、はぁ……」

さっきまで姫ちゃんといたところから全力疾走して、近くにあった木に寄りかかった。

姫ちゃんは今頃、自分の気持ちに気付き始めているだろう。

「………はは…」

俺はフられた。
試合は優勝しても、告白はやっぱり成功しなかった。

「………みじめだなー、俺…」

どこかで、姫ちゃんに好きな人がいないことを願っていた。

危うく、自分の親友を別の目で見てしまうところだった。

「姫ちゃんにはマスちゃんがあってるよ、うん。俺よりそっちの方がいい」

ほとんど、自分に言い聞かせていた。

俺よりもマスちゃんと結ばれる方が姫ちゃんは幸せになる。

俺はただの邪魔者だ。

「……いや、恋のキューピットってことにしとこう」

それくらいは許してね、姫ちゃん。

俺は姫ちゃんとは付き合えないけど、せめて、何かしら理由をつけてずっと姫ちゃんの隣に居たい。


「姫ちゃん、俺───……姫ちゃんを好きになって良かったよ」


心からそう思う。

こんな気持ちになったのは初めてだ。

結衣ちゃんのときも、こんなに感情的になることはなかった。

…これは結衣ちゃんに失礼だな。

「───……あー、でもなんか吹っ切れた」

本当にありがとう、姫ちゃん。


大好きだったよ。


「───………」


いつの間にか俺の頬に雫が伝っていたのを、俺は知らないフリをして目を閉じた……───