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- Re: 逆ギレマスカット【コメ下さい!】 ( No.46 )
- 日時: 2013/06/29 19:07
- 名前: 冬の雫 (ID: JxRurJ5z)
★☆★
「ますかぁーーっ!!」
「おわっ」
俺とマスちゃんと姫ちゃんが話していると───突然、教室の扉が全開にされた。
マスちゃんは、その声と音にびっくりして振り向く。
…ナニ、なにごと!?
「あんた、約束すっぽかしたね…!?」
扉を開けたその人は、黒いオーラを出しながら近づいて来る。
周りにいた全然関係のない生徒たちも、突然の状況にポカンと口を開けて見ていた。
「…弥生先輩……」
「音楽室前で待ってるって言ったよね?まーすか」
「(…ビクッ)…や、それはその…」
珍しくマスちゃんが慌てている。
というか、初めて見る人だな。先輩か?
よく見れば、スタイルいいし。結構美人。
「まさかごめんなさいで許してもらえるとは思ってないよねぇ?」
「…先輩なら優しく許してもらえるかと」
「……、…全く、逃げ口上は達者なんだから」
その人は諦めたようにため息をついて、「そこの金髪」と俺を指差した。
……え、俺!?
「はっ、はい!」
「あんた、確か舞透といつも一緒にいるわよね。名前は?」
「宮本 大地ですっ」
「そう。───大地、放課後舞透が逃げないように、ここに縛り付けといて」
「はいわかっ……、え!?」
さらっとなんて恐ろしいことを言うんだこの人は!
「それと…、あなたは?」
俺とマスちゃんが恐怖に震えていると、その人は次は姫ちゃんに視線を移した。
───男の勘、というものがあるのだとしたら。
……この二人を会わせては…いけない。
「誰、あんた」
姫ちゃんが不機嫌そうに椅子に座ったまま睨む。
姫ちゃん、そこは意地を張らないで!
「あら、ウワサ通り根性はいいのねこの子」
「は?ウワサ?」
「この学校小さいから、ウワサなんかすぐ広まっちゃうのよ。
転校生が来た、って、みんな騒いでるところよ」
「…あぁ……」
二人が話しているのを黙って見ているマスちゃん。
───と、思えば、マスちゃんは俺に「こっちに来い」というジェスチャーをしてきた。
「何?」
なぜか火が見える二人に聞こえぬように 囁くような声を出して、マスちゃんに近付く。
マスちゃんは「行くぞ」と俺の腕を掴んだ。
「は?どこに」
「逃げる」
「えぇっ!?」
逃げるってどこに、と混乱したまま俺が言うと、マスちゃんは「オレもわかんねぇけど…」と張り合う二人を見た。
「とりあえず、嫌な予感がする」
「…あ、マスちゃんもそう思う?」
「男の勘、だな」
マスちゃんが少しだけ目を細める。
───ああ、マスちゃんが笑わなくなったのはいつからだろうか。
あの頃のマスちゃんが、懐かしい。
「…あ、ちょっと!どこ行くのあんたたち!」
逃げるように二人で教室から勢いよく出ると、教室からは弥生という人のそんな声が聞こえて、俺とマスちゃんはハイタッチをした。