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Re: 地獄はドSの手によって。【コメください!】キャラ募集中です! ( No.34 )
日時: 2013/07/03 19:09
名前: 冬の雫 (ID: HOE8nich)

4の続きです^ ^


「舞夢さん、ですよね?…あっ、小鬼ちゃんもいるっ」

声を弾ませて盛り上がる桜華。

───それを、不信そうに見る舞夢と茂野。

「…なぁ、あいつ知ってるか…?」
「い、いえ…誰でしょうか」

桜華にバレないようにこそこそと話す舞夢と茂野に、桜華は少しだけイラッと笑った。

───が、すぐに表情は穏やかさを取り戻す。

「桜華といいます。今日から、亞代さんの書斎で働かせていただくことになりました」
「へぇ…亞代の」
「あなたは?」
「オレは舞夢だ。こいつが茂野」

舞夢がそう言うと、「よろしくお願いします、桜華サン」と茂野が頭を下げた。
桜華は、「カワイイ」と茂野を持ち上げる。

「わぁっ」
「なになに?なんなのこのちっちゃな生物!」
「や、やめてくださ……っ…」

茂野がジタバタともがく。
だが桜華は優しく笑うだけで、その手を離してはくれなかった。

「───おい茂野、……行くぞ」
「えっ?」
「桜華。茂野から手を離せ」

そう言う舞夢は、心なしか不機嫌の色が浮かんでいる。

これは、そう、アレだ。

───嫉妬。

「舞夢サン……」

感動している茂野。
だが桜華は、心中穏やかでは無かった。

「…私の茂野ちゃんを離せと…?」
「あぁ?誰がお前の茂野ちゃんだよ」
「じゃああなたの茂野ちゃん?」
「茂野は誰のものではねぇよ」

茂野はオドオドと二人を見て、「舞夢サン、『そこはオレのものだ』と言ってほしいです…」と心の中で思っていたのは秘密だ。

「……へぇ、私を怒らせるのね」
「はぁ?早く消えろ」
「(…イラァッ)……消えるのはそっちよ」

桜華がそう言うと───広場は、光に包まれた。

[地獄、亞代の書斎]

「…兎に角、貴方は桜華ちゃんを出入り禁止にしてほしいと」
「……あぁ」

舞夢は、ぶすっと頬を膨らめてそう言った。

「あいつ、このオレを殺す気だった」
「でも貴方、一度死んだんでしょう?」
「……。…もう死んでるけどな」
「桜華ちゃんが復活させたのね。…じゃあ」
「そうだよ」

舞夢は亞代の言葉を遮って、不機嫌に目を逸らして言った。

「あいつは オレの存在を消した憎い奴であり、命の恩人でもあるんだよ」

理不尽だよな、と舞夢が言葉を零す。
亞代はクスッと笑って、言った。

「桜華ちゃんの御給料、上げてあげないと」

第四話、完

(……もう絶対、あいつとは喋らねぇ)