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Re: 地獄はドSの手によって。【舞夢の正体、 完結】 ( No.78 )
日時: 2013/07/15 16:55
名前: 冬の雫 (ID: HOE8nich)

9 双子の日常事情
【募集キャラ三人使用!】

[地獄、広場]

広場は、いつものように盛り上がっている。
小鬼たちの騒ぎや、亞夜のいたずら。それに困る琴音。

そして───

「さあさあ!次は誰!?」
「もうむりー釉魔ちゃんつよいー!」
「にゃっはっは!どんどんかかってこーいっ!」

釉魔が、小鬼相手に対戦をしていた。

「釉魔サン、とりあえず木の棒振り回すのはやめてください!」

茂野が慌てながら言うが、釉魔は「だめ!これはわたしの宝物なの!」と言って話さなかった。

釉魔はいつもこの木の棒を持っていて、小鬼とすれ違うと、とりあえず叩こうとする。
それが小鬼にとっては恐怖にしかならず、いつも逃げ回っているのだ。

「釉魔サン……」
「釉魔、その辺にしておけ。小鬼たちが泣きついてきて、ウザいからな。」
「……あ、悧魔サン!」

茂野の表情がぱぁっと明るくなる。
まるで、救世主でも現れたかのようだ。

茂野の隣には───唯一釉魔の暴走を止めることのできる、釉魔の弟の悧魔がいた。

「あっ悧魔!邪魔しないでよー」
「いい加減やめてくれ。小鬼たちがホントにウザいから」
「いいじゃん、楽しいわよ?悧魔もやる!?」
「やらん」

ズパッとそう言い捨て、悧魔は広場を出ようと足を進めた。

すると───

「舞夢さん!今日は何をなさるんですか」
「うるさい近寄るな」

広場にやって来る、舞夢と戒徒がいた。

「舞夢さーーんっ!!」

それを見た途端、釉魔の目が輝く。
横の悧魔は、面倒くさそうに息をついた。

舞)「……ぁ。おい兄弟、お前らの兄貴をどうにかしてくれ」

悧)「分かりました舞夢さん」

戒)「舞夢さんっ、こいつらは放っといて俺とイチャイチャ…「気持ち悪い」」

戒)「じゃあイチャイチャじゃなくても!踏んづけてもいいんで俺と仲良く!」

舞)「だからMは嫌いだっつってんだろ」

釉)「お兄ちゃん!ドMすぎて気持ち悪い!!」

悧)「兄貴、舞夢さんが迷惑してるぞ。」

こうはの二人の批判で───戒徒は、「お前らに何が分かるっ」と少しだけ涙目で言った。

「……これだからMは……」

はぁ、と悩ましく息をついたのは、悧魔と舞夢だ。

[地獄、亞代の書斎]

亞代の書斎では、桜華と羽与、そして幼なじみの姫美華が亞代の手伝いをしていた。

「なんだか今日も騒がしいですねぇ」

桜華が穏やかにそう言いながら、分厚い本を両手で抱えて運ぶ。
亞代は「然うね」と言って、小さく笑った。

「どうせ舞夢と戒徒兄弟でしょ?───あ、羽与!それはそこじゃないわ!」

ここよ、と姫美華が羽を動かしながらその場所に移動すると、羽与は「あ、ありがとう」と微笑んだ。

「それに対して、どうも静かね、ここは」

桜華がそんな二人(?)を見ながら、ポツリと呟く。
羽与は「まーまーいいじゃない」と眉を下げて笑った。

「そうよ!わたしたちは落ち着いてるのが一番よ!
───さ、桜華、羽与!今日はどこに行こうか!一緒に服でも買いに行かない?」

姫美華がそう言うと、桜華と羽与は「うん!」と明るく返事をしたのだった。


第九話、完!

(お兄ちゃんは)
(兄貴は)
((完璧なドMだ))

(…おいお前ら、そこだけ心を通じ合わせてんじゃねぇよ)