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Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.1 )
日時: 2013/07/17 01:14
名前: シア (ID: 0cRf5/D/)

プロローグ

花が咲き誇る庭園に、一陣の風がふく。
白銀の髪を靡かせて、少女は瞳を開ける。
少女の瞳は、ルビーを思わせる、澄んだ真紅の瞳。
けれど、その澄んだ色は、他人からみれば、忌まわしい色で。
それでも少女は、背をピンと伸ばし、前を見つめる。
辛く、苦しい立場など、もろともせずに。
そんな少女に、一つの声が聞こえた。
『そなたは我等の巫女姫と成るや否や』
「な、あに………?」
『我はそなたら人が、〈四天竜〉と崇める一柱、金竜ジルキヴィル。我等四天竜はそなたに巫女姫としての素質をみた。我等はそなたの魔力でこの現の世に姿を現す。だが、巫女姫と成る者と盟約を結ばなければ、我等四天竜は姿を現す事ができぬ。それまでは、そなたの心に声を届けよう』
「…私は一介の皇女にすぎません。私でなくとも、他に、巫女姫の候補は居るでしょうに」
『そうでもない。我等四天竜の意見が一致しなければ、巫女姫の候補は決まらぬ』
その言葉を聞き終えると、少女は瞳を閉じ、金竜ジルキヴィルと名乗る意識に、自分の意識を集中させた。
『我等は時にそなたの友として、僕として、そなたに尽くす。最期の時まで共に居よう』
「…その前に一つ御伺い致します。貴方が金竜ジルキヴィルという証拠は?」
『今は無い。魔力で、盟約した巫女姫が居なけれは、我等は現に姿を現せぬ』
「私のことを御知りになりながらも、私を巫女姫にするのですか?』
『成るか成らないかは、そなたの意志によって決まる』
少女の心には、葛藤が生まれていた。
四天竜といえば、国で、神として崇められている存在。
そして四天竜は、国を正しき道に進ませる人間にしか、声が聞こえなければ、姿も現さないという。
そんな神の巫女姫に成っていいのだろうか。
だが、少女は、国が在るべき姿を護る為、意を決した。
「巫女姫の件、御受け致します」
その瞬間、少女の周りが光り輝いた。
それは、瞳を閉じた少女にも伝わって。
光が収まり、少女は瞳を開けた。
そこには、四体の竜が居た。
『我は金竜ジルキヴィル』
『我は銀竜シュヴィル』
『我は紅竜カーディナル』
『我は蒼竜イグドラシル』
そして、四つの声が重なり合う。
『我等は四天竜。我等の巫女姫がこの世に降臨した時、この世は正される。我等は巫女姫の友として、僕として、最期の一瞬まで共に居よう』
少女は、それに応える。
「盟約は成された。私の友として、僕として、一緒に生きよう」
そう言った白銀の少女は、頬に一筋の涙を流した。