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- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.12 )
- 日時: 2013/06/26 18:42
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
私は、足早に、父君様の所へと向かう。
「ミラージュ、貴女、何か聞いてた?」
「いいえ。皇帝陛下からは、何も聞いておりません」
父君様は何を考えていらっしゃるの?
着くやいなや、私は、謁見の間の扉を魔術でこじ開けた。
それには、父君様も、父君様の傍にいた母君様も驚いたようで。
「フィーア?どうかしたのか」
「父君様、ユウ・ファレストという者ですが………」
「あぁ。我が命を下した」
「どうして………!」
「いつまでも、ミラージュとイアルだけにも任せるにはいけまい。護衛も一人増やした」
「私にはイアルとミラージュだけで十分に御座います!この二人以外の者を付き人にしとう御座いません!!」
「そなたが何を言おうが、もう決定した事だ。下がれ」
「…………………………っ!」
私は、その言葉に、従う事しかできなかった。
父君様自身が命を下したのであれば、私にできる事は何も無い。
ただ、事の成り行きを見る事しか出来ない。
そんな無力な存在。
私はミラージュを引き連れて、部屋へと戻った。
ユウはずっと立っていたらしく、部屋に入って来た時と同じ場所に立っていた。
「貴女が父君様の命で私の世話役に成ったのはわかったわ。最初の仕事はミラージュから習いなさい」
「承りました」
「ミラージュ、ユウに仕事を教えてあげて」
「承りました」
会話が済むと、ミラージュは、ユウを連れて、部屋を出て行った。
部屋には私と、イアルが残った。
「フィ、大丈夫か?」
心配気に、私に訪ねてくるその姿は、護衛ではなく、恋人そのものだった。
「大丈夫。時間はかかるだろうけど、頑張るわ」
私が、人に心を開くのは、奇跡に等しい。
信じられる人間かは、私が決める。
醜い言葉で罵られてきた私が今を生きられるのは、ミラージュやイアル、父君様と母君様、そして四天竜達が居てくれたから。
ユウがそんな存在に成るかは、まだわからない。
けれど、同じ時間を過ごしていれば、いつか、その時が来る。
その時がいつかは解らないけれど、私が彼女を知ろうという事はできる。
いつかのその時まで、私は、頑張って彼女を知る努力をしよう。
たとえ、受け入れる事が、難しくても。
そんな思いを胸に、私は、窓から見える景色を眺めて居た。