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Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.47 )
日時: 2013/07/16 19:42
名前: シア (ID: 0cRf5/D/)

庭園に着き、私は四天竜達を招集した。
いつもは私の肩に乗ってくるところだが、封印を解かなければいけないため、地上に降り立ってもらった。
そして、封印解除の魔法を起動させる言葉を紡ぐ。
「全ての楔が解かれる時、全てが元に戻りうる………封印解除!!」
唱え終えると四天竜達の身体が光り、元の大きさ、竜としての大きさへと戻っていた。
すると、どこからともなく声がした。
「相変わらずだな」
その声は、あの人のもの。
イアルが一礼する時に、私は後ろを振り返った。
そこにいたのは、父君様と母君様だった。
「父君様、母君様…………………………」
「フィーア、どうしても行くの?」
母君様の言葉に苦笑しながら答えた。
「はい。私のような者が一人でも多くの人が戦場に向かうだけで、戦況が変わるかもしれませんし、ずっと、父君様と母君様に守られているだけでは、私は弱いままです。だから、ここを立つのです」
「フィーア…………………………」
母君様は片手で口元を覆い、涙を流した。
父君様は一歩近づき、私の肩に手を載せてきた。
「お前は私達の最愛の娘だ。くれぐれも、無理をするな。無事に帰って来ると約束しなさい」
「父君様、その件は…………………………」
「よいな?」
私の言葉は、最後まで紡がれることはなかった。
そんなに心配をしてくれていたんだと、改めて思う。
けれど、はい、と言うこともできない。
だから…………………………。
「全力を尽くします」
その言葉に満足したのか、父君様に笑顔がうまれた。
母君様はこちらに歩み寄り、私を抱きしめた。
私はそれに、大いに驚いた。
「は、母君様!?」
「皇帝との約束は、皇后である私の約束でもあります。無事に帰って来ることを、真の目標として、戦場で生き延びなさい」
母君様の声は涙声で、言葉の合間にもかすかな嗚咽が混じっていた。
母君様が離れると、イアルが手を握ってきた。
「………っ!」
「大丈夫です。私がお護りしますゆえ」
人目がある、というイアルの配慮なのだろう。
こういうところにイアルはとても目ざとい。
手を握っている位置だって、父君様と母君様には見えない位置で。
こんなさりげない優しさと、かけてくれた言葉に対して、私は頷いた。
私はもう一度父君様と母君様に微笑みかけて、ジルキヴィルに乗り、イアルはシュヴィルに乗った。
もう事前に父君様と母君様には、イアルが私について行くことを連絡している。
私は、右腕を横へ振り、四天竜達に飛行体制をとるように促した。
「父君様、母君様」
ジルキヴィル、シュヴィル、カーディナル、イグドラシルが飛行体制に入り、翼を広げた時、私は後ろを振り向いた。
「私のことは心配なさらないでください。私は、必ずイアルと共にここへと帰ってきます」
「「………っ!」」
私は、父君様と母君様の驚愕に満ちた表情を見て、命令する。
「翔べ!」
私の命令に合わせ、ジルキヴィル、シュヴィル、カーディナル、イグドラシルが飛翔し、父君様と母君様の姿が小さくなる。



死闘が、今、始まる…………………………