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Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.6 )
日時: 2013/06/25 22:49
名前: シア (ID: 0cRf5/D/)

第一話

この世には、絶対的に変えられない理がある。
それは、この世において、最も大切なもの。
けれど、私ーフレミアイル・フィーア・シュヴァルツヴァイスーには、それをも変えてしまう程の魔力が在り、また、私を護り、私と、国の為だけに、力を振るう、この国ーヴァイシュバル皇国ーの神、四天竜達も、理を超えてしまう。
だから、私と四天竜には、理とは無意味なもの。
『フィーア、ここに居たのね』
その声は、私の心に直接響く。
声の主は、私の長い白銀の髪を掻き分け、肩に乗って来る。
それは、紅竜カーディナルだった。
声で解ったが。
だが、何故竜であるカーディナルが私の肩に乗れたかは、私が魔術で、四天竜達の体を幼竜の大きさまでに小さくしているから。
「何の用なの?」
私が今いる場所は、私の父で在り、この国の皇帝でもあるゲイル・ギル・シュヴァルツヴァイスが私の為だけに造らせた広い庭園。
ここに入られる人間は限られており、まず、皇帝である父君様。
そして、この国の皇后である母君様、シラヴィル・リィル・シュヴァルツヴァイス。
私の付き人で世話係であるミラージュ・サリフィア。
私の付き人で護衛官のイアル・セリファス。
四天竜の、金竜ジルキヴィル、銀竜シュヴィル、紅竜カーディナル、蒼竜イグドラシル。
最後に、この庭園の主である私。
『何んの用って、皇帝が呼んでるから、貴女の部屋に行ったのに居ないから、皆で貴女が居そうな場所探して、やっと見つけたのよ』
「そう。ミラージュとイアルは?」
『庭園の入り口で待ってるわ』
「解ったわ。それじゃあ、行きましょうか。じきに、他の竜達も来るでしよう」
そして、私は庭園を出た。
「姫君様」
そう呼んだのは、ミラージュだった。
「解ってる。行きましょう、謁見の間へと」
私が皇宮の中で、さっきの庭園と自分の部屋からは、まず、一切出ない。
出る時が在るとすれば、今回みたく、父君様か、母君様に呼ばれた時だけ。
何故なら、私はこの国で、〈忌まわし姫〉と、呼ばれているから。
踵まである長い白銀の髪。
そして、皆が忌み嫌う、紅の瞳。
これが、私が〈忌まわし姫〉と呼ばれる原因。
生まれた時からそう呼ばれ続けた私には、もう、感情と呼べる感情はなく、ただ、四天竜達と、ミラージュ、イアルと一緒に居ると、本当の私で居れた。
それは、確かに、心休まる時であり、楽しい時間で。
生まれた時から、ずっと一緒に居てくれる、ミラージュとイアル。
まだ出会ってから、五年しか経っていないけれど、私の大切な、四天竜達。
彼らと居られるだけで、私は幸せ。
そんなことを思って歩みを進めていたら、この国の公式第二皇女、フィアレスイル・スィーア・シュヴァルツヴァイスと出くわした。
最悪だ.........。
同じ母親から、同じ父親から生まれたのに、何故、こうも境遇が違い、性格が違うのか、疑問だ.........。
「あら?<忌まわし姫>ですこと。醜いわ」
「フィアレスイル姫、言葉を慎みなされて下さい。フレミアイル皇女陛下は公式第一皇女陛下なのですよ?皇位継承権第一の御方です。フィアレスイル姫は、それをお解りですか?」
フィアレスイルの言葉に最初に反応したのは、ミラージュだった。
が、直ぐにフィアレスイルの後ろにいたメイド達の一人が、すかさず反応した。
「<忌まわし姫>が、皇位継承権第一位ですって?笑わせないで、ミラージュ。皇位継承権第一位は、フィアレスイル皇女陛下に決まっているわ」
こうなると面倒なことになる.........。
「リーネ!!あなた!!!皇女陛下に向かって何て口を叩くの!?この事が皇帝陛下に知られてみなさい!!!あなたは死罪よ!!!!!」
「その時はフィアレスイル皇女陛下に守ってもらうわ。そうですよね?皇女陛下?」
「えぇ、リーネ」
「リーネ!!いい加減にしなさい!!姫様もですよ!!」
「いい加減にしなさい」
私は、怒気を含んだ声でそういった。
その声に、フィアレスイルと、リーネというメイドは、顔が青ざめていく。
「ミラージュ」
「は、はい.........」
私は、ミラージュの方に体を向けて、微笑んだ。
「私は大丈夫よ。気にしないで」
「フィーア皇女陛下......」
ミラージュは、私を幼名で呼んだ。
イアルも、私のことは、幼名で呼ぶ。
私がそう呼んでと幼いときに言ったのだが.........。
「行きましょう。父君様が首を長くして御待ちになっているわ」
そう言って、私はフィアレスイルの脇を通ろうとした時、「待ちなさいよ」、というフィアレスイルの声がしたが、面倒なのでスルー。
そんな私の態度に怒ったフィアレスイルを、宥めているメイド達の声がよく聞こえた。
これが毎日あるのだから、堪らなく不愉快だ。
まず、これを毎日続け、結局は私が怒気を含んだ声を出し、黙らせ、その脇を通り、その後の言葉は全てスルーする私の態度に怒る事を繰り返す意味が解らない。
結局、怒る。
自業自得だ。
そして私は、そんな事がなかったかのように、平然と、歩いて行くのでした。