コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: kiss or friend 〜ラベンダーのクチヅケ〜 ( No.136 )
日時: 2014/01/12 22:37
名前: チャルトン (ID: GEZjoiD8)


翌日、永輝の言ったとおり風邪はすっかり治った。



ガラッ

教室のドアを開けて中に入る。


「あ、実衣菜おはよー!」

……愛奈。

「お、おはよ」

いままでとなんら変わりない態度で私に挨拶をする。

愛奈が何を考えてるのか全然わかんない。

あれから、上村くんとはどうなったんだろう。



そんなことを考えながら席に向かう。

そんなときだった。

ボソッ
「…風邪、治ったんだな」

耳元で囁かれる。


「…っ!」

背筋がゾクッとした。

「え、永輝っ!」

「あ、俺のキスマーク見えるな。」

永輝が私の首筋を見て言う。

私はとっさに首筋を隠した。

顔は耳元で囁かれたときから赤くなり始めていた。


「ど、どうしてくれるのよ!この、キ…キキキキ、キスマークっ!」

バッ

みんなが私の方を見る。

「声でけーよ!」

永輝は私にでこぴんをして、自分の席に向かった。


「今、キスマークがどうとかの話してなかった?」

「やっぱり?私も聞こえた!」

「え、二人ってできてるの?」

「どうなんだろ?」

教室中がざわめいていた。

Re: kiss or friend 〜ラベンダーのクチヅケ〜 ( No.137 )
日時: 2014/01/13 23:44
名前: チャルトン (ID: kcj49vWg)



ガラッ

「みんな席につけよー」

先生が教室に入ってくる。

先生は教卓まで行くとみんなを見回した。


パチッ

先生と目が合う。

「お、辻久保風邪治ったか!よかったよかった」

「あ、はい。」

「小倉がお見舞いに行ってあげたからだな!」

先生は笑いながら永輝の方に目を向ける。

「そういえば今日は小倉、遅刻してないな!おりこうだ!」

あ、本当だ。
永輝は今日遅刻をしなかった。


「ま、皆も風邪をひかないようにな!」





1時限目が終わり、休み時間になった。

ガラッ
「実衣菜ー!」

「慶ちゃん。」

慶ちゃんが私の席に来る。

「昨日大丈夫だった?休みだったからビックリしたよ。」

「大丈夫だよ。ただの風邪だし」

「ならよかった。本当は様子を見に行こうとしたんだけどさ、男一人が女の子のお見舞いにいくなんて危険でしょ?いろんな意味で。」

ギクッ。

「だからやめといた。でも、こうやって元気に学校来れてるなら大丈夫だね。」

「う、うん!」


永輝、昨日一人で私のお見舞い来たんですけど……!

「あ、2時限目移動なんだよね。俺、そろそろ行くな。またな!」

「うん、バイバイ!」

慶ちゃんはそう言って教室を出て行った。


わざわざ階の違うウチのクラスにまで来るの大変だよね…。

なんで、わざわざ…………

『…好きだよ、実衣菜。』


カッーー

思い出して赤くなった。

そうだ。
まだあれからちゃんと返事をしていない。

ちゃんと……断らなきゃ…。


私は永輝が……好きなのだから。