コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.14 )
日時: 2013/07/09 19:35
名前: チャルトン (ID: qiixeAEj)



私は…

「そっ、か。…おめでとう。」


無理に笑ってそう言うしかなかった。


これで、よかった。

どうせ叶わない恋ってわかってたし…。


わかってた けど……


なぜか涙はとまらない

あれから自分がどうやって帰ってきたか とかいつから泣いてた とか全然わからない。


でも、気づいたら自分の部屋で泣いていた。



好きでした。上村くん。

Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.15 )
日時: 2013/07/11 22:51
名前: チャルトン (ID: tVNOFy45)


翌日、私は登校してすぐトイレに行き鏡を見て驚愕する。


「最悪っ!」


鏡の中の私は目を赤くしていた。

昨日、泣きすぎちゃったからだよ…絶対。


どうしよう。

愛奈に会わす顔もないし…

今日、私は笑えるかな?


鏡を見てずっとウジウジしているわけにはいかないから、私は教室に向かった。


「あ♪おはよう、実衣菜!」

「おはよ。辻久保」

教室に入って早速愛奈と上村くんが話しかけてくる。


「お、おはよう」

赤くなっている目を見られたくなくて俯きかげんで言う。


「ん?あれ?実衣菜……」

愛奈が私の顔を覗き込む体勢になる。

「どうしたの?目、赤くなってる…」

愛奈は私の目に手を伸ばす…



パシッ


愛奈は目を見開き、驚いた顔をして私を見つめる。

でも、一番驚いたのは私自身だ。



………愛奈の手を振り払ってしまった。

Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.16 )
日時: 2013/07/12 22:59
名前: チャルトン (ID: tVNOFy45)



「ごっ、ごめん…!」

何やってんの、私…。

「え、なに?二人ケンカしてるの?」

上村くんは私と愛奈を交互に見ながら言う。

「私にはそんな記憶ないんだけど……。
なんか、気にさわること言った…?ごめんね…」


違う。違うの…。

愛奈はなにも悪くない。

なにもしてないよ…。


私は懸命に首を横にふる。

「…っ…違う、の…!!」

ふりしぼって出した声は少し震えていた。



ヤバい
泣きそう

涙がこぼれ落ちる寸前だった。


赤い目にふわりと、ラベンダーの香りとともに伝わる熱…。

視界がさえぎられる。



目には手がそえられていた。

Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.17 )
日時: 2013/07/13 18:48
名前: チャルトン (ID: tVNOFy45)



「だーれだ」

すぐ後ろから聞こえる棒読みの声。

耳にかかる息。


その、声は……


「永輝!?」

後ろを向くと、そこには上村くんの幼馴染みの小倉 永輝オグラエイキがいた。


べ。 と 舌を出しながらバカにしたような目で私を見る彼。


愛奈に近づくために私に近づいた上村くんと一緒にいた彼とは普通に話す仲。


だけど、私は正直彼が苦手。

だって、いつもなに考えてるのかわかんないもん。



今だって、泣きそうだった私を助けてくれた。