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Re: kiss or friend 〜ラベンダーのクチヅケ〜 ( No.167 )
日時: 2014/03/21 14:40
名前: チャルトン (ID: N.hBywMC)


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聞かれてた。

まさか、永輝が聞いてたなんて。


ちゃんと、直接伝えたかったのに。


自分から正式に好きって言おうと思ったのに



しかも、なんか永輝…元気ない気がする。



キーンコーンカーンコーン

昼休みを終えるチャイムがなった。


「あ、じゃあ俺は教室戻るから。じゃあな!」

慶ちゃんはそう言って戻って行った。



永輝は何も言わず、教室に向かい始めた。


…やっぱり永輝、なんかおかしい…。

「待ってよ。」

私は永輝の後を追いかける。


「永輝、どうかした?」

「…なにが?」

「なんか、元気…なくない?」


ピタッ

永輝は急に歩む足を止めた。

「え、どうした?」


「お前さぁ………」


「なに…?」

永輝は低い声で言った。



「俺の気持ち、わかってんだよな?」



………え?

永輝の気持ち?

永輝の気持ちって……

「わかってるよ?」

私は少し赤くなってそう言った。


「なに?わかってんのにそんなんなんだ?」


「え?」

そんなんって、なに?


私と永輝……

両想い…なんだよね?


なんか私、おかしいかな…?


「…っんとに意味わかんねぇわ。」


永輝はそう言ってまた歩き出した。


私は追いかけることができなかった。

ただ立ち尽くすことしかできなかった。


永輝……怒ってた。

なんで……?

なんで怒ってるの?


意味がわかんないのは私のほうだよ




小さくなる永輝の背中を見えなくなるまで私はずっと見ていた。



「……辻久保?」

後ろから私を呼ぶ声がして、私はゆっくりと振り向いた。


「やっぱり辻久保だ。どうかした?もうすぐ授業始まるけど」


「上村くん…」


なんでだろう。

上村くんを見たら安心して涙が出そうになった。




上村くんの目…少し赤い。


「上村くんの方こそ…どうかしたの?」

「え?なんで?」


「目…赤いよ?泣いたの…?」


上村くんは驚いたように目を見開き、また笑った。


「違うよ、目にゴミが入っちゃってさ。」

「そうなの?大丈夫?」

「それより、辻久保の方が泣きそうなんだけど?」

今度は私が目を見開く番だった。


「用事はもう終わった?なんなら、話聞くけど…」


「……ありがとう」

私は涙をこらえてそう言った。

「でも、大丈夫だから」

「そっか。でも、いつでも話聞いてやるからな。」

上村くんはそう言って教室に向った。