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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: kiss or friend 〜ラベンダーのクチヅケ〜 ( No.169 )
- 日時: 2014/05/05 01:28
- 名前: チャルトン (ID: wVVEXLrP)
キーンコーンカーンコーン
授業が始まるチャイムが鳴った。
授業…サボろう。
こんな状態じゃ、どうせ集中できないだろうし…。
ずっと廊下に立ち尽くしているわけにもいかないから私は屋上に向った。
ガチャ
屋上はやっぱり居心地が良くて落ち着いた。
「……誰?」
ビクッ
声が急に聞こえて私は声の聞こえた方を振り向く。
「なんだ、お前かよ。」
「栄田くん…」
栄田 柊一
同じ中学だった同級生。
クールで静かで…何を考えてるか全然わかんない人。
中2と中3の2年間同じクラスだった。
話すのはほんと久しぶりだ。
ていうか、同じ高校だったの?
「授業…始まってるけど、いいの?」
「うるせー、静かにしろ。俺は眠てーんだよ。」
寝るためにここに来たの?
本当、栄田くんは何考えてんのかわかんないや。
まさか屋上に先客がいるとは思わなかった。
別のところに行けば良かったと私は後悔した。
「…お前さ……」
栄田くんが唐突に話しかけてきた。
静かにしろって言ったのはどこの誰よ!
「なに?」
「里桜とはどーなったんだよ?」
ドクン
「まだ連絡とってんのか?」
迂闊だった。
油断してた。
そうだ。
栄田くんは同じ中学だったんだ。
愛奈と一緒で……知らないんだ。
「…と、とっくの昔に……別れたよ」
「は?なんだって?」
「もう、別れたんだってっ!」
大きな声で叫んでしまった。
シーーン
「…ふーん」
ま、どうでもいいけど、と言って栄田くんは本格的に眠りに入った。
栄田くんが寝てもうすぐで授業が終わる頃だった。
「グスッ…ごめんな…さい…っ…」
手で顔を覆りながら小さくつぶやいた。
「ごめんなさい…っ、里桜……!」
栄田くんが実は起きているとも知らずに、私は泣いていた。
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