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Re: kiss or friend 〜ラベンダーのクチヅケ〜 ( No.175 )
日時: 2014/04/20 23:55
名前: チャルトン (ID: w4lZuq26)


第6話 ラベンダーに会いにいく


「えーと、今日は修学旅行でどこに行くかを決めるぞ」

翌日のことだった。

まあ、時期が時期で修学旅行が近づいていた。

「どこに行くかなんだが、北海道か沖縄どっちに行くか案が二つあるんだ。だから今から多数決とって、学年で多かったほうに行くことになった。」

えー、とクラス中から野次がとぶ。

「沖縄がいいー!」

「はあ?北海道だろ。俺行ったことないし」

「私も沖縄いったことないもん。北海道行ったことあるし!」

「どっちも行ったことないけど沖縄かな〜!温かいし」


いろんな声が飛び交う。


「ハイハイ、静かに!」

騒がしくなった教室を先生が制した。


「ほら、こうやってふたてに案がわかれるだろう?だから多数決を取るんだ。」


紙を配るからそこにどっちか書け、と先生は紙を配り始めた。


配り終えて先生は北海道と沖縄について説明をしだす。


「沖縄は、温かくて海が綺麗でちんすこうとかうまい物があるんだ!タコライスは格別にうまいぞ。それにな…」

先生は沖縄について語り出した。

その目はキラキラしてて先生は北海道じゃなくて沖縄に行きたいんだとヒシヒシと伝わってきた。

私も、沖縄がいい。

北海道は……


私の頭に理桜の姿が浮かんで消えた。

「んで、北海道はな、うーんと…」

沖縄のときとは対照的に覚めた口調で言う先生。

「あ、海のさちが素晴らしいんだよな?カニとか?」

いや、なんで先生が疑問系なのか。

「あ!!」


思い出したように先生は大きな声を出した。


「ラベンダーだ!」


どくん、と心臓が鳴ったのがわかった。

目の前が一瞬で真っ暗になる。


手が震える。
やだ、いやだ…!

「北海道にはラベンダーがあるぞ。さて、みんな書き終わったかー?集めるぞ。」


先生の声で私は我に返り、まだ何も書いてない白紙の紙に震える手で“沖縄”と書いた。


そんな姿の実衣菜を愛奈は睨みつけていた。