コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: kiss or friend 〜ラベンダーのクチヅケ〜 ( No.184 )
- 日時: 2014/05/05 01:37
- 名前: チャルトン (ID: KdWdIJEr)
「よーし、みんな早く並べよ〜!」
先生の掛け声で皆は賑やかに話しながらも集まる。
「いいかー?修学旅行先で事故なんかあったらシャレにならん!自分の身は自分で守ること!いいかー?」
修学旅行当日。
晴天でポカポカしていて修学旅行には最適の天気だ。
来てしまった…
でも、休むわけにも行かないし…
永輝も、朝からずっと不機嫌みたいだ。
あれから永輝とはこれと言って話すことはなく修学旅行になってしまった。
一回ちゃんと話した方がいいと思うんだけど、なかなかタイミングがつかめない。
そんなこんなで今にあたるのだ。
「小倉く〜ん!!!!」
その声に私はハッと反応する。
愛奈が永輝に駆け寄っていた。
「北海道にこれてよかったね!空気もおいしいし!」
ボソッ
「…ぜんぜんよくねーよ」
「私は沖縄より北海道派だったから嬉しいんだ〜!」
そう言った愛奈の表情は何かをたくらんでいるような表情で……
「!!」
そんな愛奈と目が合った。
「…どうしたの実衣菜〜?」
ニッコリと微笑んで私に尋ねる愛奈。
「ううん、別になにも……」
私は愛奈から目を離してそう言った。
「ふーん…そう?」
愛奈は微笑むのをやめて私に近づいてくる。
「楽しみだね〜!どんなことが起こるのかなぁ、ここで。」
どんどん近くなる私と愛奈の距離。
私が一歩後ずさると愛奈は私の腕を掴み、ぐいっと引き寄せた。
反動で愛奈の方に倒れる形になる。
だが、危機一髪で持ちこたえ、倒れることはなかったが愛奈と私の距離はさっきとは比べ物にならないくらい近くなっていた。
「もしかしたら、偶然会っちゃうかもね?実衣菜の愛しのあの人と。」
ドクンッ
愛奈は私の耳元でそう言った。
けれど、その声は意外に大きくて近くにいた永輝にも聞こえていた。
「…は?愛しのあの人…?」
永輝がそう呟くと愛奈は嬉しそうに
「あれ〜?小倉くん、知らないの〜?
里桜のこと。」
その言葉で私と永輝の動きはピタリと止まった。