コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.23 )
日時: 2014/01/03 01:44
名前: チャルトン (ID: RadbGpGW)


お昼。


「なんで、屋上?」


私は永輝と屋上にいる。

「風当たりがよくて涼しいから?」

「いや…疑問形で返されても。」


時間は朝にさかのぼる

「お昼、これからは上村くんと食べることにしたの。」

「え、じゃあ私はどうすれば…」

「辻久保は永輝と食べれば?」

上村くんが言った。

「えぇぇ。小倉くん?」

愛奈はあからさまに嫌そうな顔をして言った。

「別に愛奈と食べるんじゃないからいいでしょ。辻久保は永輝と仲良いし。ね?」


別に仲良くないし…。
仲良いのか?

「…まぁ、実衣菜が嫌って言うならいいけどさ。」

「うん。嫌ならいいよ?」

上村くんに言われたら…断れないよ……

「いいよ。ご飯食べるだけだし。」

私は笑いながら言った。

………笑えてたと思う。

「…私と永輝ってどの辺が仲良いと思うの?」

自分ではそんな気はないんだけど…。

「その、“永輝”って言うところとか?」

「そうだね。名前呼び捨てだし。永輝が女子を呼び捨てにするなんて辻久保がはじめてだもん。」


そして、今にあたる。

べつに、呼び捨てに深い意味なんてないと思うんだけど…。

初対面で呼び捨てにされたからカチンときて私も呼び捨てにしたっていうくだらない理由なんだけどな。

Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.24 )
日時: 2013/07/15 23:26
名前: チャルトン (ID: tVNOFy45)



ビュォーーーー

風が吹く。

もう季節は夏になる。


暑い中風が吹いて気持ちいい。

あ、屋上だからか!

「…って!屋上って立ち入り禁止じゃん!」

「今さらかよ」

購買で買ったであろう焼きそばパンをくわえながらケータイをかまって言う永輝。

もう食べてるし!

本当、マイペースだよなぁ永輝って。

上村くんと幼馴染みなのに全然違う……って!

また上村くんのこと考えちゃったじゃん!
忘れなきゃいけないのに…。

やっぱり当分は忘れるなんて無理なのかな…。

「…なに百面相してんの」

「ぅわ?!」

ゴチッンッ

「「いてっ!!」」

いつのまにか近くにあった綺麗な顔にビックリしておでこをぶつけた。

「近い!バカ!」

「光太郎のときとは全く反応が違うじゃねぇか。」

「昨日の、み、見てたの?」

クスッ
「ぐっすり眠ってたよなー。ヨダレ垂らしてさ。」

え?!
「うそ!?やだっ!最悪!!」

上村くんに見られちゃった!?

絶対引いたよ!幻滅した!

…って、また上村くんのこと考えちゃった……。

Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.25 )
日時: 2013/11/14 22:53
名前: チャルトン (ID: Qx4JmDlZ)


「バーカ」

舌をだしてまたバカにしたような目で私を見る永輝。

いや、“バカ”って言ってる時点ですでにバカにされてるけども!


「嘘に決まってんだろ。」

「な…!!」

最悪最低!

そうやって人で遊んでさ!

「……でも、おまえが泣いてるところは、みた」


ドクン。

「なんか夢でも見てたのか?」

上村くんと同じ質問をする永輝。

私はつい俯いてしまった。


「…夢なんて、みて…ない。」

夢じゃない。あんなの夢じゃない。




私は君を忘れようとしてるのに…

そんなに私を憎んでるの?里桜…。

Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.26 )
日時: 2013/08/07 00:45
名前: チャルトン (ID: tVNOFy45)


「……まぁ、どうでもいいけど。」

そっけなくそう言う彼はきっと、私に気を使ってくれたんだと思う。

「てか、お前いいのかよ?」

「え?なにが?」

「光太郎と腹黒女だよ。名前なんつったっけ?石口だっけ?岩崎?あれ、正岡だっけ?あ、石橋だ。」

正岡って誰!?
しかも、は、腹黒女って…

「…ずっと気になってたんだけど、永輝と愛奈って仲悪いよね?なんかあったの?」

「・・・・」

え、黙っちゃった?!
聞いちゃダメだったのかな…

「…よくお前はあんなやつと友達でいれるよな。ある意味すげーわ」

は?
「意味がわかんないんだけど」

「わかんなくていーよ」


やっぱり、永輝の考えてることはわかんない

あれ?なんの話してたんだっけ?

Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.27 )
日時: 2013/07/19 20:59
名前: チャルトン (ID: qiixeAEj)



「おまえって本当ドンマイな女」

ど、ドンマイの女?!

「いいのか?親友に光太郎あげて」

ああ、その事か…。

ん?
ちょっとまてよ?!


「なっ、なんで私が上村くんのこと好きって知ってんの?!」

私、誰にもそんなこと言ってないのに!

「そんなの、見てればわかるし」

うそ?!
そんなに顔に出てるのかな!?

「みんなわかっちゃたのかなー」

「……おまえ、鈍感?」

はい?

「いや、ちょっと遠回しに言い過ぎたか…」

「なにが?」

意味わかんないんですけど。


「ま、いいか」

そう言って永輝は私の黒髪をつかんで引っ張った。


グイッ

痛くない程度に。

急に引っ張られたから必然的に永輝の方に倒れることになる。

でも、倒れはしなかった。





そのかわりに唇に伝わる、熱。


うそ、でしょ

目の前には綺麗な永輝の顔で。

まつ毛が私より長い
悔しい

とか本当どうでもいいことが頭をよぎった。

意味わかんないんですけど。




今日、私は何回意味わかんないって思ったっけ?