コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.45 )
- 日時: 2014/01/21 22:19
- 名前: チャルトン (ID: HDoKOx/N)
「ギャッーーー!!」
永輝のチョイスした乗り物は景色が丸見えで、落ちるときの無重力は最悪だった。
その後すぐにジェットコースターに乗った。
……もう、ダメ。
無理。
「辻久保、大丈夫?」
上村くんが私の背中をさすりながら聞いてきた。
うぅ……恥ずかしい。
でも、このシチュエーション悪くないかも…とか思ったり。
背中、さすってもらえてるし…。心配もしてくれてるし…。
「まだ2つしか乗ってねーじゃん。バテるのはやっ。」
永輝が見下しながら言ってきた。
こっちは吐きそうで気持ち悪いってのに…!
「そーだよ、実衣菜!!せっかく来たのに!」
そんなこと言われたってさ…。
…気持ち悪いんだも……うぷっ……。
や、ヤバイヤバイ…。
好きな人の前でこんなのって本当最悪…。
「永輝と愛奈はなんか乗ってきなよ。俺は辻久保みてるからさ。」
え…?
「う、上村くん!そんなの悪いよ!私は大丈夫だから!」
だいいち、上村くんは愛奈と付き合ってるんだし…。
このデートも二人のためのだし…!
「・・・・」
愛奈は黙っている。
やっぱり…嫌だよね…?
「いい。俺が実衣菜をみてるから光太郎は石橋と乗ってこいよ。」
永輝……。
そうだね…それが一番いい……
「わかった!じゃあ小倉くんと乗ってくるよ!」
……え?
「は?おまえなに言ってんだよ?」
永輝は愛奈を睨む。
「そう。じゃあ、楽しんでおいで。」
上村くんはにっこりとそう言った。
愛奈はまだ納得のいっていない永輝を引き連れて私の無理な絶叫系の乗り物の方へと歩いていった。
なに、これ…。
どういう状態…?
「上村くん…愛奈と喧嘩してるの?」
「・・・」
上村くんは黙りこんでしまった。
聞いちゃダメだったかな…?
「ご、ごめん!言いたくないなら言わなくていいんだけど…」
あれ?でも永輝が来る前までは仲良く話してなかったっけ?
「ケンカはしてないと思う。俺、嫌われてんのかな?」
はにかみながら言う上村くんを見て胸がギュッーと締め付けられる。
そんな顔で…私を見ないで……。
本当に上村くんのこと忘れられなくなるじゃん…。
- Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.46 )
- 日時: 2013/08/07 00:23
- 名前: チャルトン (ID: tVNOFy45)
「おーい!!乗ってきたよー!」
少しして愛奈と永輝が帰ってきた。
相変わらず永輝は愛奈に引きずられていた。
「上村くん、聞いて!今乗ってきた乗り物さ、めちゃくちゃおもしろかったの!」
愛奈はすぐさま上村くんと話し出す。
やっぱり、ケンカはしてない…?
愛奈からこんなに積極的に話しかけることは滅多にないから、やっぱり愛奈はちゃんと上村くんのこと好き…なんだ。
愛奈は上村くんの腕に自分の腕を絡ませた。
「上村くんものればよかったねー。
実衣菜は別に一人で待ってれたと思うし。」
ズキンッ
なんだろ…
愛奈の言葉が重い…。
「や、やっぱりそうだよね!本当にごめんね上村くん!」
慌てて私はそう言う。
「そんなことないよ。俺が勝手に一緒にいただけだし。」
きゅんっ
上村くんの些細な言葉にときめいてしまう。
「なにそれー!私とは一緒にいたくないってこと?!」
「違うよ。辻久保は体調が悪かったから」
や、ヤバイ雰囲気に…
「おい。せっかく遊園地来たんだからもっと楽しんだ方がいーんじゃねーの?」
永輝、ナイス。
「…ごめん。」
愛奈が消え入りそうな声で言った。
「こっちこそ、ごめん…。」
ボソッ
「……キスして…」
「「「!?」」」
愛奈がいきなりそう言った。
なんの前触れもなく。
唐突に。
「な、なに言ってんだよ?急に。」
「お願い。私のこと好きなら今、ここで、して。」
……やだ。
「……はぁ。わかったよ。」
……やめて。
上村くんがどんどん愛奈の顔に近づいていく…。
見たくないと思っているのになぜか目が離せない。
動か…ない。
いやだ。涙が…。
あと少しで愛奈と上村くんの唇が重なるその時だった。
グイッ
引っ張られる手。
「行くぞ。」
え…?
永輝が私を引っ張って歩きだした。
「マジ意味わかんねぇ。さっきの行動といい、今の行動といい…なにがしたいんだよ?アイツは。」
永輝が歩きながらボソッと言った。
愛奈のこと…だよね。
チラッと愛奈たちの方を見てみる。
見ない方がいいとわかってるのに…。
そこにはキスをしている姿ではなく普通に立っている愛奈と私たちに背を向けて立っている上村くんの姿があった。
なぜだろう。
遠くてよくわからないが、愛奈がこっちを睨んでいるように見えた。