コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.53 )
- 日時: 2013/08/14 14:11
- 名前: チャルトン (ID: tVNOFy45)
「ほら、やるよ。」
永輝が私にペットボトルを投げた。
「つめたっ!」
ギリギリのところでキャッチしたペットボトルは冷たかった。
「お茶?」
「いらねーんなら別にいいけど。」
「ううん。ありがと」
私と永輝はベンチに座った。
「ありがとう、永輝。」
「それ、さっきも聞いたけど。そんなにお茶が嬉しかったのかよ」
「その事じゃない…。まぁ、それもだけど、さっき…愛奈と上村くんのあの…あれのとき……」
「ああ。俺と実衣菜がこの前何回もしたあれね。」
「ブフォッッッ!!」
飲んでいたお茶を吹いてしまった。
「な、何回もって…!!そんなにしてないよ!…たぶん。」
「いや、10回はしたんじゃね?だって、昼休みが終わるまでずっとしてたし。」
そ、そうだけどっ……。
「と、とにかくっ!さっきはありがとうってこと!」
「別に、俺もあんなヤツらのキスシーンなんて見たくねーし。つれしょんみたいなヤツだよ。」
つ、つれしょんって…
「そんなのと一緒にしないでよ!もっと他に言い方思い浮かばなかったの?!」
まったく…!
「じゃあ…実衣菜と二人きりになりたかったから?」
ドキッ
な、なななな!?
「な、なんで疑問形!?」
ヤバイ。赤い。
絶対私の顔赤いって!!
クスッ
「いや、ツッコミどころそこ?」
永輝が笑いながら言った。
「疑問形じゃない方がよかったか。」
そう言って永輝は今度は疑問形じゃなくその言葉を言った。
ドキッ
「何回も言わなくていいから!」
なに考えてんのよ、このバカ!
「まだ二回しか言ってないんですけど。」
「二回でも複数形だから何回もでいいの!」
「いや、何言ってんのかまったくわかんないんだけど。」
「とにかく!あんまりドキドキさせないでよ!」
「は?ドキドキしてんの?」
あっ。
しまった…!!
「なにそれー。嬉しいんですけど。まぁ、真っ赤だもんねー、顔!」
そう言って私のほっぺをつねる永輝。
「い、いはい…!!(痛い)」
いや、まったく痛くないんだけども。
カモフラージュというかなんというか…!
永輝は手を離した。
そこから伝わってくる熱がさらに私の鼓動を早くさせる。
恥ずかしくて俯く。
「実衣菜。」
不意に名前を呼ばれ永輝の方に俯いていた顔をあげる。
と、同時に唇には熱が伝わってきた。
もう、何度も味わった熱…。
触れるだけの、キス。
唇はすぐに離れた。
「真っ赤。」
永輝は私の顔を見てそう言った。