コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.57 )
- 日時: 2013/08/19 01:23
- 名前: チャルトン (ID: tVNOFy45)
「ねね!観覧車は二人ずつで乗らない?」
観覧車に着いて早々、愛奈が提案した。
愛奈は上村くんと二人きりになりたいんだ…。
つまり私は永輝とってことで……
ドキドキ
…って、なにドキドキしてんの?!
いや、変な想像とかまったくしてないから!
「実衣菜、また顔赤くなってない?」
「いや!全然なってない!赤くなんてなってない!」
「そ、そう?」
なんですぐ顔に出ちゃうかなー!
「…で、どう?二人ってやだ?みんなで乗りたい?」
「いいんじゃね?二人で。俺もそっちの方がいいし?」
そう言って永輝は私の方をみて口角を少しあげた。
ヒッ!!
な、何を考えてるんですか、永輝さん!
「上村くんと実衣菜はー?」
「いいと思うよ。」
上村くんはそう言った。
「実衣菜は?」
「え、えーと、私は…」
ちらりと永輝を見る。
相変わらず口角は上がっていた。
三人とも二人がいいって言ってるし……
あぁーー!!もう!
「いいよ、二人で!」
「よし!じゃあ二人で乗ろう!」
四人で乗り場へと近づいていく。
1つのゴンドラが来た。
永輝がすぐさま乗り込む。
やっぱり、観覧車に乗りたいんじゃん。
一番に乗るなんて。
私も永輝に続いて観覧車に乗り込む。
いや、乗り込もうとした。
「私、小倉くんと乗るから、実衣菜は上村くんと乗ってね♪」
ガタンッ
扉がしまる。
「は?!なんでお前が乗って来んだよ!?光太郎と乗るんじゃねーのかよ!」
永輝の声がだんだんとのぼっていくゴンドラから微かに聞こえていた。
- Re: しょうがないから忘れてあげる ( No.58 )
- 日時: 2013/08/19 22:58
- 名前: チャルトン (ID: qiixeAEj)
どういう…こと?
なんで?
意味わかんない…。
愛奈は何を考えているの?
「お客様、どうぞ。」
従業員がゴンドラのドアを開けて言った。
「まぁ、どうせだし乗ろっか?」
上村くんが私の手を引いて言った。
「う、うん。」
上村くんの顔は見えない。
上村くん…今どんな顔してる…?
「楽しんでくださいね」
従業員の言葉とともにゴンドラのドアは閉まった。
私と上村くんは向い合わせで座る。
「上村く…」
「俺、やっぱ嫌われてんのかな。」
私の言葉をさえぎって眉間にシワをよせながら笑って上村くんは言った。
そんなことない。
そう言いたいけど、この状況じゃ何を言ってもダメだ…。
どうしよう。私はどうすればいい?
「で、でも!愛奈が告白OKすることなんて今までに私の知るなかではなかったし…」
こんなこと言ったってなんの励ましにもならないかもしれないけど、出てきた言葉がそれだった。
きっと、上村くんもその事知らないと思うし…。
「え…?」
ほら、やっぱり。
「俺、愛奈に告白なんてしてないけど……。」
……え?
今、なんて…?
上村くんは愛奈に告白してないの?