コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: kiss or friend 〜ラベンダーのクチヅケ〜 ( No.90 )
- 日時: 2013/11/13 22:44
- 名前: チャルトン (ID: 8uCE87u6)
家には永輝の他に誰もいないようだった。
シーンと静まりかえっている。
どこに運べばいいんだろう?
私は一番近くにあった部屋のソファーに永輝を寝かせた。
お、重かった…。
男一人の全体重は私には重すぎた。
てゆうか、勝手にあがっちゃった…。
永輝の家は想像以上にきれいに片付いている。
ものが少ない。だからきれいに見えるのだろうか。
日常に必要不可欠のものしか見当たらないのだ。
両親はいつ帰ってくるのだろう?
私はいつまでもここにいるわけにはいかない。
だからといって永輝を…苦しそうな病人をこのままにはできない。
どうしよう。
そう考えているときだった。
「ん…。」
永輝が目を覚ました。
「永輝!大丈夫?」
私はすぐにかけより、永輝の顔を除き混む。
「……実衣菜…?なんで、ここに…」
さっきも、それ、言われたんだけどな。
永輝はさっきのことを覚えていないようだった。
「プリント届けに来たんだけど…永輝が倒れて…」
私はおおまかに説明する。
「ごめん。勝手に家に入って…」
…そう言ったときだった。
ガタンッ
永輝は私の手首をつかんでソファーから落ちた。
はたからみればまるで、永輝が私を押し倒してるような…。
「え、永輝……?」
「おまえ、バカなの?」
「え…?」
永輝は私の目をじっと見つめて言う。
「なにのこのこ男の家に入ってきてんだよ?」
え、だって…
「緊急事態だったし…。」
永輝が私の手首をぎゅっとにぎる。
永輝の手…熱いよ…。
「そういうもんだいじゃない。男の家に一人で来るなんて誘っているようなもんだぞ…?」
永輝はそう言って顔をどんどん近づけてくる。
ふわりとラベンダーの香りが鼻を掠める。
ダメ…。
このままじゃ……
急に私の手首を握りしめる力が弱くなった。
今なら、逃げれる。
押し退けれる。
けれど私はそのまま永輝の唇を受け止めた。
- Re: kiss or friend 〜ラベンダーのクチヅケ〜 ( No.91 )
- 日時: 2013/11/14 22:36
- 名前: チャルトン (ID: 6.Nua64i)
いつにもまして永輝の唇が熱い。
それは永輝が風邪をひいてるからだろうか。
次第に、深くなっていく……
私はされるがままだった…。
そして、ゆっくりと唇が離れてく……
「……なんで」
永輝がボソリと呟いた。
「なんで抵抗しねーんだよ。」
「……え」
「そこは、抵抗しろよ……」
最後の方は今にも泣きそうな声で驚いて目を見開く。
「おまえ…誰にでもそうなのかよ。」
「え?“そう”って…?」
「…キスだよ。誰のでも拒まねーのかよ?」
そ、そんなわけないじゃん!
私は…永輝が好きだからで……
え?
でも、永輝とはじめてキスしたときは
まだ永輝のこと好きじゃなかった…はず。
あれが、もし永輝じゃなかったら……?
「・・・・」
私は考えてるうちに黙りこんでしまった。
「ゴホッ……ゴホッ!」
永輝が咳き込む。
「大丈夫?!」
私は今、床に寝転がっている状態。
上では永輝が苦しそうに咳き込んでいる。
「薬…飲んだ?」
私は起き上がり、永輝の背中をさすりながら聞いた。
「……別に、おまえには関係ないだろ。」
ズキン
そう言われて胸が痛む。
「か、関係なくなんかないよ!だって、その風邪私のせいでしょう?!昨日私が傘を借りちゃったから……!」
私は負けじと言う。
少し大きな声が出てしまう。
「だから、お詫びというか……看病させてよ!」
急に大きな声を出した私に驚いたのか永輝は目を丸くしていた。
そして、
「はあ……。」
大きな溜め息をついた。
や、やっぱり迷惑……なのかな…。
「……わかったよ。じゃあ、なにか食べれるものを作れ。」
材料は冷蔵庫にあるから と言って永輝はまたソファーに寝転がった。
「うん!待ってて」
私は看病するのを了承してくれたことが嬉しくて少し声のトーンがあがった。
そして、キッチンに行き、冷蔵庫を開ける。
「……うーん。」
作るにしても何を作ろう?
やっぱり風邪にはお粥かな?
私は悩んだ末定番のお粥を作ることにした。