コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: kiss or friend 〜ラベンダーのクチヅケ〜 ( No.98 )
日時: 2013/12/01 19:19
名前: チャルトン (ID: 8AM/ywGU)


永輝がお粥を食べ終え、片付ける。

永輝はだいぶ体がらくになったと言ってテレビを見出した。


「実衣菜…ごめん」

「え?」

洗い物をしていると永輝が急に言った。

「遊園地の時から変な態度とって…。」

私は急いで洗い物を終え、永輝のもとに行く。

「そんなこと…」

「実衣菜は光太郎と石橋を一緒にしたくないんだ…まだ光太郎のことが好きなんだって思ったらなんかイライラして」

永輝…そんなこと思ってたんだ…。

「あのときお前のこと好きなのやめるって言ったけど、やっぱ…無理だわ。」

そう言って私の目を見つめる永輝。
私は目をそらすことが出来ないでいた。

「あれからお前の幼馴染みがよくクラスに来るようになって苦しかった。仲良く話をする姿を見るたびに…」

きゅん。

永輝の言葉言葉が嬉しい。

そんな風に思ってくれてたなんて…

でも、なんか……
「永輝……まだ熱あるんじゃない?やけに素直だし…。」

クスッ
「なんだよそれ。俺が素直じゃ可笑しいってか?」

「明日は雨が降るね!」

「その場合は傘を忘れないように。」

「も、もう忘れないよ!」

だって、きっと永輝のことで悩まないと思うから……たぶん。

Re: kiss or friend 〜ラベンダーのクチヅケ〜 ( No.99 )
日時: 2013/12/09 01:08
名前: チャルトン (ID: mU8VICoz)


時刻はもう六時を過ぎていた。

「ヤバッ。もう帰るね。」

私はそう言って玄関に向かう。

そして、入ってくるときには気づかなかったラベンダーの香りが鼻をくすぐる。

「いい香り…」

ふとまわりを見渡すと、靴箱の上にラベンダーが飾られていることに気づく。

永輝から香るあのラベンダーの香りはこれが原因か…。


永輝のお母さんが埋けてるのかな?

そういえば私、永輝のお母さんがどんな人か知らないや。

「永輝、両親はいつ帰ってくるの?一人で大丈夫? 」


私を見送るためにか、永輝は私の背後にいた。

「・・・・」

永輝は一瞬口を紡ぎ、

「…俺に両親なんて、いねーよ。」

とても低く、でも少し悲しみのこもったような声で永輝は言った。

「…え…。ご、ごめん。変なこと聞いて…」

永輝は私がそう言うとハッとした表情をした。

「いや…こっちこそごめん。変な言い方だったよな。………死んでるとか、そういうことじゃねーよ」

……え?

じゃあ、どういうこと?
両親は死んでないけど、いない……?

なぜか、これ以上聞いてはいけないという雰囲気になってしまった…。

「あっ!このラベンダー本当、いい香りだね!永輝もラベンダー好きなの?」

私は話を変えるため、さっきまで目に入っていたラベンダーの話をする。

「……それは母親が週に一回送ってくるヤツ。」

また低い声で言う永輝。

……は?

全く意味がわからない。
両親は死んでないけどいなくて週に一回ラベンダーを送ってくる?

どういうことなの?

「……ごめん。変な空気にして。今日はありがとな。」

バタン

そう言って永輝は私を玄関から出し、扉を閉めた。