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Re: お嬢様の隣に変態王子。*復活しました* ( No.529 )
日時: 2013/10/30 18:14
名前: ひよこ ◆1Gfe1FSDRs (ID: zS76SbFU)

『人殺し』。

そう華恋が呟いたのは、時雨と別れる時だった。
華恋は恨めしそうに時雨を睨み付けると、そのまま背を向けて去ろうとした。

「……まだひきずってんのか、華恋」

その時雨の言葉に、華恋は足を止めた。

「……当たり前、でしょう? 忘れられるわけないじゃない。あんたの、せいで……っ!!」

華恋の声は、震えていた。
拳を固く握り締め、自分を抑えているようにもみえた。

「私はあなたを……許さない」

低くそう呟くと、立ち去っていった。
少し見えた華恋の横顔は、とても辛そうだった。

(……なにがあったんだ……? ものすごく気まずい……)

時雨を横目でみると、うつむいたまま一言も喋らなかった。

雫はなにも言えなかった。

その顔がどこか、悲しそうだったから。


「……華恋…………ごめんな……」


時雨が呟いた言葉は、誰にも届くことはなかった。