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Re: 【コメ130感謝】二次元に恋してしまった。【第16話更新。】 ( No.151 )
日時: 2013/07/25 19:50
名前: 檸檬 ◆iwOQ5dadXo (ID: 4M4hyAMx)
参照: 腹減りすぎて壊れそう

 こんにちは!
うはぁ、コメントが…俺恵まれてるw
  常連客が多くてうれしいww
んじゃぁ、今日も更新!


17話 第4章2話前編。













「うぷっ。もう食べれないよぉ〜…。」

日平は満足げにお腹をさすった。

「よかったね、日平ちゃん。二次元世界は楽しいよ?」

「来てよかったよぉ。美咲たんにも会えたしね!」

「会いたかったの?!」

美咲たんは少し涙目で叫んだ。

「うん!!美咲たん好きだもん!」

「ありがとうぅぅぅぅぅぅ…。」

美咲たんは泣きながら日平に抱きついた。

「アハハ…。二次元旅行楽しんでくれてよかったです!まだ3日ありますから、存分に満喫してってくださいね!」

「やったぁ!」

日平は飛び跳ねた。



俺は毎日毎日現実というものを目の前にされ、ずっと気が重かった。

どんなに楽しくても。ずっと。

でも、ここにいると心から明るくなれる気がした。

激しい実感はないが、心がいつもより穏やかだった。

「聖弥さん…?」

「はっ!」

「何ニヤニヤしてるの聖弥君…。」

美輪と美咲たんが怪しげの表情で俺を見つめる。

「いや、何でもないっす!」

「そぉ?んじゃ、次どこ行く?」

美咲たんは俺の顔をもう一度のぞき込み、元の席へ戻った。

俺は緊張してにやけ顔のまま硬直。

そこに日平が口を入れる。

「遊園地ってあるの?」

「あるよ〜。有名キャラ達を代表したアトラクションが山ほど☆」

美咲たんが答える。

確かに面白そうだが…

俺も行きたいところがあった…。

まぁ、いいか。

「じゃぁ早速行こう!」

「はい!」

「いこいこ!」

「ちょっと聖弥、置いていっちゃうよ?」

俯いている俺に日平が話しかける。

「あぁ、行く行く!」




「ここか…。」

「す…すごい…。」

俺と日平は息を呑んだ。

あまりの本格的さに。

「なんでこんなあの有名キャラを細部まで…。」

俺の視線の先には、俺の大好きキャラ第2位の真奈の絵があった。

近くに駆け寄り、看板のようなものを見てみると、

『真奈の館』

「出たぁ!真奈の館!』

俺は叫んだ。

真奈の館と言えば連想できるのはお化け屋敷…ならば…

俺は黙って入口へ向かう。

日平達は何をするのかと黙って笑顔でついてくる。

———酷い目にあうとも知らずに。


ゴォォォォォォォォォォォ…

戸を開けて、中へ入った瞬間に、生ぬるい風が俺たちを迎える。

そのままだ…原作そのままだ…。

俺は驚いた。ガチで驚いた。

まるで本物だ…アニメで見たものをそのまま映して貼っつけたみたいだ。

「うふふっ、まさかここを選ぶとはねぇ…。二次元通ね聖弥君。」

美咲たんの声を聞き、俺の頬が緩む。

「ふっ。興味本位だよ。」

二次元にいる時くらいはかっこいい言葉を発しておこうか。

「あそこの受付から通るのよ。」

そういう美咲の体には、むっちゃ怖がっている日平がへばりついていた。

…日平ってビビりなのか…。

「さぁ、入ろうか。」

「ふ、ふぎゃぁ…。」

日平が喉から精一杯声を絞り出す。

「怖がんないで。皆いるからね?」

美咲たんが日平をぽんぽんと叩く。

「う、うぅぅ…。」

日平は元気を外に置いてきてしまったようだ。

しかしもう遅い。

もうすぐ入口にたどり着く。

並ぶ場所は実に狭い廊下。

俺はこんな地味な場所もくっきりと覚えていた。

赤みがかった薄暗い部屋。天井には電気の切れたシャンデリア。

代わりに壁にロウソクが刺さっている。

そんな長い長い廊下のなか、長い行列を歩み続け

————ついにやってきた。

入口だ。

「ふぉぉぉえぇぇぉぉっぁぁぁ…。」

「うふふ…日平ちゃんは案外怖がりなのねぇ…。」

美咲たんはにっこり笑う。

この笑顔を見ていると、怖さなんて吹っ飛んでしまう。

入口から前へ進むと、先ほどとは打って変わって、とても広いホールのような場所があった。

「真奈の館第1難関。レッドサムバット・ホール」

口に出してたしかめる。

「あら、よく知ってるわねぇ〜。」

美咲たんは感心していた。

そんな美咲たんの横。

「…。」

「…。」

美輪と日平は黙りこくっていた。

そういや、美輪なんて入った時から黙っていたではないか。

…こいつもビビりか。

美輪を見ながらそんなことを思う。

それに気づいた美咲たんは、

「美輪も極度の怖がりでねぇ〜♪うふふw」

美輪はなにか言いたそうだが、言うにも言えない様子だった。

そんな雑談をしていると、天井から声が聞こえる。

≪真奈の館へようこそ。≫

なんとその声は真奈本人のものだった。

≪長い廊下で待たせて悪かったわね。いよいよゲームが始まるわ。≫

かっこいいよ真奈…大好き…

俺の目には自然と涙が浮かんできた。

≪今なら帰っても大丈夫よ。忠告するけど、帰った人はまだ一人もいないんだからね?≫

真奈がそういうと、さっき歩いてきた廊下への扉が再び開く。

≪あら、誰も戻らないの?うふっ、気に入ったわ。さぁ、最期まで遊んで逝きなさい。≫

そういうと扉が閉まった。

「帰りたかった…。」

日平は美咲の体に顔を押しつけながら声を出す。





さぁ、



———————ゲームが始まるぞ。








次回はお化け屋敷を終わらせねば。
 それでは!