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- Re: 【コメ150感謝】二次元に恋してしまった。【第17話更新。】 ( No.170 )
- 日時: 2013/07/26 22:22
- 名前: 檸檬 ◆iwOQ5dadXo (ID: 4M4hyAMx)
よし。お試し版のやり方で更新したいと思います。
今までとの違いを見ながらも、エンジョイしてってねー♪
17話 第4章2話後編。
≪さぁ、次の部屋へ進みなさい。≫
来たか…。
第一難関…。
血に染まったナイフが飛んでくる…。
いったいどんな演出で表現するのか…。
「これを受けとってください。真奈様からの贈り物です。」
館のメイドとみられる容姿の女性がメガネを渡す。
なるほどなぁ。
「そういうことか。」
「わかっちゃった?」
「まぁな…。」
そう言って誰よりも早く美咲たんと俺はそのメガネをかけた。
視界がさらに赤くなる。
こえぇぇ…。
メガネをかけた瞬間、
≪さぁ、それは私からの贈り物よ。かけてみなさい。≫
真奈がそういうと、お客達は次々にメガネをかける。
そして、全員がメガネをかけ終わった時。
部屋は暗闇に包まれた。
どんよりとした空気。しかしなぜか冷たい。
暗闇が俺たちを包み込む。
美咲たん達がいるであろう場所に目を向けるも、気配すらない。
暗闇の恐怖を改めて実感した時だった。
「うぅ…。今…どんな感じ…?」
日平はこもった声でそう呟いた。
「真っ暗だよ、真っ暗。」
美咲たんはゆっくりとした口調で日平に話しかける。
安心感が半端ない声だ。
まだ数秒しか経ってないのだが、俺にはとても長く感じた。
その時。
シュンシュンシュンシュン
天井を見上げると、なんと血まみれのナイフが無数にこちらへ飛んでくる。
3Dすげぇ…。
俺は激しく瞬きしながら感心した。
ナイフが飛んでくる中。
≪ハハハハハッハッハハハハハハ≫
真奈の甲高い笑い声がホール全体に響き渡る。
「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁああ!」
「う゛っ…う゛ぐっ…。」
日平と美輪の声が聞こえる。
その声はだんだんとエスカレートしていった。
日平:「ユルシテユルシテユルシテユルシテ…」
美輪:「あなたは私をどうするつもりですか?!奴隷ですか?!そうなんですか?!まず奴隷っていう考え間違ってますよ!何なんですかその身分の差的なやつ!私差別嫌いなんですよ!無事返してくれたらポリスメン呼ばないでおいてあげますから早めに手を引いてください!でないとこの館ぶっ壊しますよ?!いいんですか?!いいんですね?!後悔しませんね?!…」
これやばいかも…。
帰った方がいいか…?
これから山ほど出てくるのに…
今この状態でこれからどうなるんだ?
「あはは…。ちょっとやばくなってきたね…。」
さすがの美咲たんも苦笑いだった。
≪ちょっとそこの2人。何喚いてんの?うるさいわよ。もう遅いのよ。早く次に進みなさい。≫
…え?
…今、完全セリフじゃないよね?
俺がぽかんと口をあけていると、
「あれ、知らなかった?真奈ちゃん本人がここにいるのよ?ここ本物。」
「へ?」
俺の口からへろっとこぼれてきた言葉。
「つまり、真奈ちゃんのアニメは最終回迎えたわけで、ここは一応本物の館なのよね。」
「演技じゃないの?セリフじゃないの?」
「やだぁ、聖弥君。三次元じゃないんだからぁ。夢がないわねぇ。」
…俺はまだ完璧な二次ヲタじゃなかったのか…。
うれしいというか、悲しいというか。
まぁともかく、プライドは傷ついたかな。
「てことは、ここはアニメに出てた、館?」
「そういうこと!」
美咲たんは笑顔で答えた。
「ひぃぃぃぃぃぃ!ごめんなさいぃっぃぃぃぃぃぃ!」
そんな会話の間、美輪は人ごみの中命乞いをしていた。
「美輪にはプライドってものがないのか…。」
俺がそういうと、ぐしゃぐしゃに崩れた顔を近づけて言った。
「命とプライドどっちが大切なんですか?!」
「あ、命です…。」
≪まぁいいわよ。その代わりにちゃんと試練を受けなさい。≫
「いぃぃぃぃぃぃっぃいいいぃいぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁ」
美輪は叫びながらまた土下座をした。
「早くしないと進まないぞ。」
≪そう、そこの捕虜の言うとおり。早くしないと。ほら、奴隷どもが暇してるわよ。≫
「ごめんなさい…。」
そんなやり取りをしている中、いつの間にやら薄暗い部屋に戻っていた。
≪さぁ、進みなさい。≫
何気に俺のことを話してくれた真奈に萌えた。
畜生。『捕虜』って呼ばれたのに…。
そんな事を思いながら、次の部屋へ向かう。
≪ここからはグループの者共は別行動で頼むわよ。部屋は全部で5つあるわ。楽しんで。≫
真奈がそういうと、アニメでみた機械が俺たちをバラバラにしていく。
ここのシステムはマジで疑問が多い。
「部屋が5つってことは…一部屋一人ずつか俺たちは。」
そう考えていると、部屋の扉の前に着いた。
ここではじめて人の顔をよく見たが、意外に三次元にいそうな顔立ちのやつが多かった。
≪さぁ、楽しんできなさい。≫
…結局別々なのか…。
そんな俺の心が見えたかのように、
≪安心して。最期は全員に会えるから。≫
真奈の安心感のない冷たい声が響き渡った。
すると、扉が開いた。
古臭い扉だ。
ギィィィィィと大きな音を立てて開く。
演出じゃないのか…。
そして中へ入る。
今頃どうしてるかなあいつら。
そんなことを思っていた。
中には整った家具達が並んでいた。
普通お化け屋敷系は、クモの巣があったり、古っぽいイメージだが、真奈の館はそれを覆す内装だった。
相変わらず部屋は薄暗い中にほんのりと赤い色が混ざっている。
「レッドゾーンに来たか…。」
真奈の部屋は、レッドゾーン、イエローゾーン、グリーンゾーン、ブルーゾーン、ブラックゾーンの5つがある。
ブラックゾーンが一番酷い場所なのだが…誰も当たってないよな?
心配に襲われる。
しかし、そんなことより今は自分のことを考えよう。
ともかく人々に着いて行く。
≪ここはレッドゾーン。血に染まるがいいわ。≫
真奈の声が聞こえる。
俺はアニメの世界に入った様な気持ちになった。
いや、実際入ってるよな。二次元だし。
部屋を歩くたびに床がギィ、ギィと鳴る。
その音が鳴るたびに、恐怖心に襲われる。
何か出てこないか、
何か出てこないか…と。
そういって目を瞑った。
人の流れに流されるままにして、俺は目を瞑った。
そうしていると、案外すぐ終わった。
目を開けるころには、明るい世界が広がっていた。
初めていつも見る光を眩しく感じた。
「お疲れぇ〜♪」
美咲たんがスキップしてくる。
「何ゾーンだった?」
「あぁ、私?ブラックゾーンだよ?」
「暗闇かよ、大丈夫だった?あそこボスみたいな所だぞ?」
「ヘーキヘーキ!みんないたからね!」
「…へ?みんな?」
「うん。」
「他人のことか?」
「いや?美輪ちゃんと日平ちゃんだよ?」
…うわ。
これは酷い。
真奈さーん、
仕分け間違ってますよー。
いつもの正確なシステムはどうしましたかー。
終わった。 長かったよ畜生。
更新遅れてすいませんでした。(ペコペコ