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Re: 【復活】二次元に恋してしまった。【第33話更新】 ( No.302 )
日時: 2014/10/12 13:39
名前: 檸檬 ◆iwOQ5dadXo (ID: nVITTUo/)


こんにちは、檸檬です。
今日、新しく小説図書館にこの作品を登録してきました!((前から登録してたけど昔すぎて発見が困難だったため
これからも読んでくださる方が増えるといいなと思っています。
最初の方はほんとに小学生の小説みたいな感じですがね((


34話 第7章4話。







もう冬休みだ。
外の世界は遂に真っ白に染まり、太陽の光をキラキラと反射させている。
こんな季節は外に出たくない。そんな思いが冬休みを作ったのだろう。ありがたいことだ。
クリスマスはもうそこまで来ている。今日はクリスマス・イヴ・イヴだ。
しかしクリスマスにも関わらずうちは朝から晩まで何もないただの冬休みの一日だ。プレゼントもないし、予定もない。
母が滅多に帰ってこないこともあり、子供が夢と希望を持って臨むクリスマスやらの特別な一日も、俺には何もない一日だ。サンタクロースがいるということなんか小学生になる前から信じていなかった。

そんな俺にとってクリスマスなんかはどうでも良く、それよりもクリスマス・イヴの方が俺には大切な日だった。
いや、今まではクリスマス当日と同様にどうでも良かったが。

「いよいよ明後日ですね!クリスマス本番!」
「そ、そうだな」

しかしもうそんな自分はどこにもいない。今年は一味違うのだ。
この次元では初めてのクリスマスに目を輝かせている二次元から来た美少女と俺はクリスマス・イヴという名前がついたロマンティックな日に二人きりで買い物に行くというのだから。

「ところで、お前明日何買うか決めたのか?」
「もちろん!とっくに決めてますよ!」

冷静を装いながら尋ねる俺に美輪は強気でそう言うと、鞄の中をゴソゴソといじり始めた。
直後、美輪は何かを発見した様子だったので何を出すのかと見ていると、小さな鞄の口から巻物並みに長いメモ用紙をするすると出し始めた。
長さ1メートル少しはある紙をよく見てみると、それには細かい文字が箇条書きでびっしりと並んでいた。

「おま……これ……」
「ふっふっふ。プレゼント候補表です!」
「多いわ!よく書いたなこんなにびっしり」
「昨日徹夜して書きました!ここから一緒に絞りましょう!」

美輪はドヤ顔で俺の方を見てきた。
こやつ、相当な馬鹿だな。ちょっと考えれば良いの出るだろ。わざわざこんなに書くあたり、決めようとしている気がしない。
しかし折角徹夜してまで書いてくれたのだ。文句言わずに賛成するのが妥当だろう。

俺はそうして自分の気持ちを抑え、大人しくメモ用紙の方を見た。
ざっと適当に読んでいると、大きな違和感を感じた。

「お前……これ、プレゼントにするつもりなんだよな?」
「はい!そうです!」
「なんだよこれ、『カツ丼』って」
「美味しいですよね!」
「アホか!」

何考えてるんだこいつ。確かにカツ丼は美味いが、もし友人から可愛らしく梱包されたプレゼント渡されて心躍らせながら開けたらカツ丼だった時俺ならそいつの腹を蹴るだろう。
食べ物だとしてもクッキーとかそんなお菓子系ならばわかる。パンとかでもまだわかる。だがどんぶり飯。それだけはやめろ絶対に。

「えー、だめですか」
「そんな残念がるなよ、当たり前だろうが」

美輪は「ぶーぶー」と拗ねているが、あいつらにクリスマスプレゼントとしてカツ丼を渡した暁には俺の命はないだろう。だから残念だがこの案は不採用だ。

そんなことを思いながらメモ用紙を読んでいると、美輪が作成した表には残念だがプレゼントにできそうなものは全くと言っていいほどなかった。

「お前さ……もうちょっとマシなのないのかよ。ストラップとかさ……」
「えーしょぼくないですか」
「なんでだよ!カツ丼がインパクト強すぎなんだよ!」
「いいじゃないですかカツ丼!美味しいですよ!」
「だめだろ!もうあれだ、行ってから決めればいいだろ」

俺がそういうと、美輪はなぜかそこだけはすぐに納得して「あ、そうですね!名案です」と言った。
というわけで、美輪の徹夜はどこへ行ったのか、俺らは明日を待つことにした。