コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 子羊さんとシェアハウス〜獣君の甘いこと〜【9/7更新】 ( No.118 )
日時: 2013/09/17 18:56
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

 企画番外編【シェアハウスメンバー、海へ行く】

「海なんて……久しぶりだ……!」
 私、藤咲麻耶は本日、海水浴に来ていた。
「何で海なんかに行かないといけないわけ……?」
 蛍さんが眠そうに言う。
「夏休みも終わりに近いし、最後の思い出作りですよ」
 そう、もうすぐ夏休みも終わりを告げる。ということで、私を含むシェアハウスのメンバー5人で海を訪れたのだ。
「じゃあ、着替えてあそこの大時計に集合ね!」
 皓雨君が海の家の近くにある、大時計の柱を指差しながら笑顔で言った。
 なんというか、このメンバーで一番優しいのは皓雨君な気がする。

 更衣室に入り、水着に着替える。黒と白の蝶々をモチーフにした水着で、ビキニの上に同じ柄のワンピースを着る。
「……この海をきっかけにもっと仲良くなれればいいけど」
 そう呟きながら、ロッカーの扉を閉めた。
 

 ——その頃、男子更衣室では……(ここだけ朔良目線)
「麻耶ちゃんっていつも必死だよねー」
 皓雨が苦笑いしながら言う。
「なにが」
「俺たちと仲良くなりたいって感じがさ」
 祐夜は「確かに」と言いながら頷く。
「俺には理解できないけど。何であんなに必死になるのかが」
 紫季は心底呆れたような顔をしながら言った。
「まあ、嫌いじゃないけど」
 蛍の言葉に祐夜は反応した。
「嫌いじゃない、じゃなくて好きなんじゃない?」
「ちげーよ、馬鹿!」
 そんなことを言い合ってるうちに、皓雨はすでに着替え終えた。
「……まあ、麻耶ちゃんはまだ何も知らないから」
 その言葉を発してから、急に無言になる。
「ああ、そうだ。……いや、知らなくていい」
 蛍は真剣な瞳でそう言う。
「知ったところで、あの子は何もできない」
 紫季も無表情で呟く。
「きっと、知ったら、俺たちから離れていくだろうな」
 祐夜もうつむきながらそう言う。
 沈黙が流れた後、4人はいつも通りになり、大時計に向かった。