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- Re: 子羊さんとシェアハウス〜獣君の甘いこと〜【9/30更新】 ( No.145 )
- 日時: 2013/10/04 21:07
- 名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)
第7章 紫季の秘密、麻耶の秘密
昨日、祐夜さんが私に会いに来た。
祐夜さんは私のことを知っている。
私と紫季さんの関係を——。
紫季さんに『その話』をするのは残酷すぎて、苦しすぎて、拒絶されるのではないかと怖い。
だけど、怖がっていてはきっと駄目なんだろう。
彼も怖がっているから。それをずっと抱えているのは苦しすぎる。
今日の夜、リビングに全員集まってほしい、と伝えた。
その時、皆の前で私は真実を公表する。
夕食後、私は4人を前に椅子に腰をかけた。
「何なんだよ? 急に呼びだして」
蛍さんは面倒臭そうに。
「まあまあ、聞いてあげなよ」
皓雨君は笑顔で。
「……」
祐夜さんは、珍しく黙っている。
「はあ……」
紫季さんもため息をついている。
「——急にすみません。でも……大事な話なので」
彼らも、息苦しい空気を読んだんだろう。
急に静かになり、私の声しか聞こえない。
「紫季さん、あなたは——3人とは血が繋がっていないですよね」
祐夜さん以外の3人は身体の動きが一瞬止まった。
紫季さんに限っては震えさえも見えるほどだ。
「私はあなた達の情報を先に聞いていますから……」
苦笑いで私は紫季さんに視線を送る。
「紫季さんが生まれてすぐ、養子に出され、南沢夫婦に引き取られた。その後3人が生まれた……で間違ってませんよね?」
「何で……そんな話を今更出すんだ」
「すみません、この話をしないと続きの話も出来ないわけでして」
私は、改めて本題に入る。
「南沢紫季の実母、本宮美月——その姉の本宮日和の存在はご存知ですか?」
紫季さんは不思議そうな顔をしながら答えた。
「知ってるけど……何で急に……」
私は、一度深呼吸してから、話を続ける。
「私も、養子なんです」
「——え?」
皓雨君が小さく声を上げる。
「今の両親は私を引き取って下さった方々です。私の本当の父親は見たこともありません。私の母親は——本宮日和、つまり、紫季さんの叔母にあたります」
「じゃ、じゃあ、俺とお前は——」
珍しく、紫季さんが動揺しているのが伝わってくる。
「私達は……従兄妹になります」