コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 子羊さんとシェアハウス〜獣君の甘いこと〜【企画中です】 ( No.82 )
- 日時: 2013/08/16 20:08
- 名前: 朔良 (ID: 2IhC5/Vi)
第5章 子羊さん、祐夜君に会いに行く。
ある日の昼休み、私は自分の席から見える(私の席は窓際なのだ)向かいの男子校を見つめていた。
「……麻耶、何で男子校を見つめてるの?」
「——まあ、色々」
答えになってないよ、と呆れ顔をする彼女は私の友達。名前は嵯峨弓禾という。
「ねえ、そういえば合同祭についてなんだけど」
「ん? ああ、はいはい」
弓禾は生徒会で書記を務める。そして、合同祭主メンバーではリーダーを務めている。
「今年、こんなのどうかと検討してるんだ」
と、色々な企画の資料を渡してくる。しかし、やけに——
「多くない?」
「あれもこれも、ってやってたらこうなっちゃった」
そんな笑顔で見られても、すべてチェックするのは私。つまり……私の負担も増える、ということ。
「余計時間かかるんだから……」
私は資料を受け取りながら、言う。
「ごめん、ごめん」
その日の放課後、私はすぐに学校を立ち去り、向かいの男子校の門の前に立った。横には私と同じように、数名の女子高校生がいる。
今日は、祐夜さんと会うために。
生徒が出てくる。そろそろ祐夜さんも出てくる頃だろうか、と思い、気合を入れる。
「ねえ、今日はあたし達とでしょー祐夜!」
「んー?」
「今日は私達と約束してたじゃない」
祐夜さんの元へ、私の横にいた女子高校生が駆けていく。
皆、祐夜さんと遊ぶために待っていたのか……。
祐夜さんも拒否してない……なんという女たらし。
私も、向かった。
「——祐夜さん」
私は祐夜さんの前に向かい、名前を呼ぶ。
笑顔を見せてくるが、目は笑っていない。
「邪魔しないでくれない?」
「そうだよー予約してないでしょ?」
予約制なのか!
「——今日は私と遊びましょうよ、祐夜さん」
袖を引っ張る。今回は絶対に有無を言わせない。
彼は、ため息をつき、私の手を取った。恋人つなぎなんだが。
「ちょっと、祐夜!」
「ごめんね、今日はこの子と遊ぶよ」
笑顔でそう言うと、私を強引に引っ張る。
というか、考えもなしに言ってしまったけど、何をすればいいだろう?
祐夜さんについて行くと、いつのまにか路地裏に連れてこられてしまっていた。
「え、あの……」
「あんた、俺のこと満足させてくれるんだ?」
思考回路が停止する。
「……ああ、そういう知識は乏しいのか」
そう言うと、私の片腕をを取り、腰に手を回され、抱きしめられるような形になった。
「——こういうのを『遊ぶ』って言うんじゃない?」