コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 君の隣 ( No.10 )
- 日時: 2013/09/03 21:37
- 名前: 音葉 (ID: myDpNyTl)
下駄箱は人であふれかえっていた。
今日は部活の人も同じ下校時間だからだ。
3人は本来なら朝そろって登校するはずだった待ち合わせ場所の交差点まで、騒ぎながら下校していた
「じゃ、ここで。また明日」
「私もこっちだから、じゃ〜ね。バイバイ。」
奈美は右へ。実は左へ。涼香はまっすぐ行くため
それぞれの家の方角に分かれ家路を進んだ
涼香は一人家に向かっていると、ふと後ろから名前を呼ばれた
「谷口涼香!」
なぜかフルネームで呼ばれた。朔也でもない男の声で呼ばれたので
涼香は恐る恐る振り返ると、息を切らしている高木がいた
「高木部長!?えっとどうしてうちの名前?しかもフルネームで。
あ、朝はすみませんでした。」
状況が理解できず戸惑っていると、高木が軽く吹きだした
「驚いたり焦ったり面白いやつだな。
朝のことは平気だから、気にすんな。
落し物だよ、拾って何度も声掛けてんのに気づかないから、走って追いかけてきたんだよ。」
笑いながら言って涼香の落としたハンカチを手渡した
「ありがとうございます。でも名前…?」
首をかしげるとさらに笑って言った
「呼名のとき唯一2人寝てたようだからな。慌てて立ち上がって返事をしてるのを見たら、朝ぶつかった女じゃないかって思って名前が印象に残ってた。」
そう言うといきなり爆笑し始めた
「なにか?」
「なにかじゃないよ。アハハッ、前代未聞だと呼名で寝てた人。しかもそれが朝会った奴だったとわ。」
ひとしきり笑い、おさまったころに涼香は突っ込んだ
「笑いすぎです。」
「それは悪かった。ま、家も近いみたいだしね。これからよろしく
谷口さん。」
すっと、今朝のように手が差し出された
涼香は戸惑ったが、その手を取り握手をした
「よろしくです。高木部長。」
にこっと笑った高木の顔は誰から見てもかっこよく
涼香も不覚にもつい見惚れてしまった