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Re: 君の隣 ( No.18 )
日時: 2013/07/20 22:59
名前: 音葉 (ID: myDpNyTl)


見慣れた2人の姿だったが、いつも教室で涼香を待っていてくれる
親友の2人ではなかった

そこにいたのは高木と朔也の2人
壁に向かってスパイクの練習をしていた
涼香は体育館に入るため扉を開けると
扉の開く鈍い音に気づき2人は同時に体育館の入り口を見た

「あれ、寝坊助涼香がなんでいんだよ。」
「寝坊助はいらない!朝練しにきたの!」
「ふーん、偉いじゃん。」
「……。」
相変わらずいつものように言い争いが始まるのかと思いきや、朔也が素直に納得したので返す言葉が見つからず、少しの間呆けていた

「とにかく練習しようぜ。」
「あ、はい。」
高木の一言に涼香は我に返った
すでに練習着に着替えていたのでボールを取りに行き
あることに気づき朔也に話しかけた

「いつの間に高木部長と仲良くなってたの?」
「中学の3年の時に、よくここの男バレと合同の練習させてもらって
 たし、それに…」
「家が近いもんな。」
朔也の続きを話すように高木が言った。涼香は驚き目を丸くした

「え!昔はよく遊びに行ってたりしたけど気づかなかった。」
「近いって言っても、家が隣とかじゃないからな。」
「それに、中学は別だったし。」
「俺の地域からは東中、朔也の地域は北中じゃないかな。」

2人の説明になるほどと頷きながら涼香は聞いていた

「ま、話はここまでにして谷口は何の練習をするの?」
「アンダーとオーバーの練習です。」
「少しやってみてよ。」

一瞬戸惑ったが、結局は同じ空間でやるので断る理由がないので
返事の代わりにボールを上にあげアンダーパスの練習をした

つもりだったが、ボールは高木に向かって飛んでった

しかも顔に向かって

「あっぶねー!超がつくほどのノーコンか!それとも、俺に恨みでも
 あったか!?」
ギリギリのところでボールをキャッチした

「特にありませんが…。」

その様子を見ていた朔也は必死に笑いをこらえお腹をかかえて
小さくなっていた

「そいつがスパイク打って割った窓ガラスの数すごいんですよ。」
「それ言わない!」
朔也が涼香の黒歴史(の1つ)を言うと、高木はため息をついた
きっと
涼香に対してのため息の回数を数えるとほかの人と比べるとダントツで多いだろう

「俺がアドバイスしてやる、いや1から教えてやる」
そうきっぱりと高木は涼香に言い放った