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Re: 君の隣 【コメ・アド求め!お願いします!】 ( No.29 )
日時: 2014/02/17 01:31
名前: 音葉 (ID: CE4YyNoS)

2人で廊下を歩いていると、高木から話しかけてきた。

「暗幕を使うってことはお化け屋敷でもするのか?」
「はい!ぜひ来てくださいね。」
「充と一緒に行くよ。あいつらもお化けの役でもするのか?」
「朔也は吸血鬼で奈美と実は猫娘です。ちなみにうちは雪女です。」

高木がいきなり笑いだした。涼香はその姿を見て自分が何かおかしいことを言ったのかと思い首を傾げていた。

「谷口が雪女か…くくっ。冷え性だもんな、よく朝練のときホットドリンク飲んでたし、初めて自己紹介した時も手めっちゃ冷たかったしな。」
「よく、覚えてますね。でもなんで笑うんですか!?」
涼香は拗ねて高木から視線を外した。
「まあ、拗ねるなよ。谷口にピッタリな役だなって思って。本当に相手を凍らせれるんじゃないのか?」
「……からかってますよね?」
「本当のことを言っただけだ。」

きっぱりと返され、返す言葉がなくなった。結果話題を変えようと思いついた。

「高木先輩のクラスは何をやるんですか?」

何気もなく聞いたことだったが、高木に動揺が走った。そして意を決していった。
「……執事喫茶。」
「マジですか!?あの、もしかして高木先輩、厨房じゃなくて……。」
「執事…ウエイターだ。」
「高木先輩、執事似合いそう!カッコイイですし、でも性格が意地悪ですけど。」
「カッコイイ?」
高木の復唱で涼香は自分の失言に気づき、頬に一気に熱が集まった。
「あ、えっと、執事役がカッコイイって意味で深いわけはないです!」
必死に取り繕う姿を見て、高木は微笑んでいた。
「とにかく絶対行きますね。高木先輩が執事なら、うちがいろいろ言えますもんね。朝練のときとかいつも言われてる側ですし。」

「誰のために言ってると思ってるんだ?」
暗幕を片手に持ち直し、軽く涼香の頭を叩いた。

「痛っ…。すみませんでした。」
叩かれたことが腑に落ちず、反抗を込めて棒読みで言った。
「来るってことは、一応俺の執事やくも見たいってこと?」
「え、あ、んー。見たい…かもです。」
戸惑いつつも、小さい声で言ってくる涼香を見て、高木は口角を少し上げた。高木が口角を上げるときは決まって、からかうことが多い。
涼香の耳元に近づき、

「なら、今練習がてら少しなりましょうか?涼香お嬢様。」

涼香以外には聞こえない大きさで囁いた。
いきなりのことで驚いたのと、不意に名前を耳元で言われたことで涼香の顔はゆでだこのように真っ赤になった。湯気でも出そうな勢いだ。

「何、今のだけで顔真っ赤にしてんだよ。店に来てそんなんでもつのか?今のは練習だぞ?」
涼香の反応を見て明らかに楽しんでる高木を見て、涼香は顔を暗幕に埋めた。

「高木先輩が不意に言うのが悪いんです…しかも耳元で。」
心臓はすごい勢いで脈を打っていた。