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Re: 君の隣 【コメ・アド求め!お願いします!】 ( No.31 )
日時: 2013/10/04 21:07
名前: 音葉 (ID: myDpNyTl)


「ちょ、叫ぶのはやめろ。」
悲鳴が上がりかけたがその前に制止された。聞きなれた声に恐る恐る振り返ってみると、心配そうな顔で涼香を見つめる高木がいた。

「なんで?先輩がいるんですか?ていうか、驚かさないでくださいよ…。」
「それは悪い、…相当怖かったんだな。泣きそうになってるぞ?」
そう指摘され涼香の目に涙が溜まっていることに気づいた。気を張っていたのが一気に解けたからだ。

「こんな真っ暗な時間に女一人で帰るなよ。危ないぞ。」
「仕事が終わらなかったので……。先輩もどうしてこんなに遅いんですか?」
「ほら、俺クラスの準備逃げただろ?それの罰として大量に雑務任されて、終わってみたら真っ暗になっちまったんだよ。」
「あぁ、自業自得ですね。」
「冷たいこと言うなよ。とりあえず家まで送るよ、さっきも言ってけど危ないから。」
「お言葉に甘えてお願いします。」

月明かりに照らされ無言のまま並んで歩いた。それだけで涼香が感じていた心細さや、不安はすべて無くなった、ただ隣に安心できる誰かがいるだけで。

「ほら、着いたぞ。」
「あの、ありがとうございました。」
「いいの、いいの。」
ひらっと手を振って歩く後姿が消えるまで見つめていた。