コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 君の隣 【オリキャラ募集中】 ( No.36 )
- 日時: 2014/02/17 00:53
- 名前: 音葉 (ID: CE4YyNoS)
よく知った顔というより村田と高木であった。
大体の予想は涼香はついていたので2人の顔を見て、思わずため息がこぼれた。
「……来るのが遅いです。」
「まあ、そう言わないでよ。ねえ試しに握手させてもらっていい?」
少し疑問を浮かべながらも、おずおずと手を差し出した。
「一言先に言っておきますけど、冷たいですよ。相当。」
ためらいもなく涼香の手を握った瞬間、村田の表情が少し強張った。
村田の手は温かったが話した途端ぬくもりは一瞬に消えた。
「……本当にこの部屋寒いんだね。クオリティー高すぎ。ほかの部屋もこんな感じにクオリティー高めてるの?」
「はい、多分。」
「じゃ、俺はじっくり見たいから先に行ってるから。」
高木と涼香に告げ、手を軽く振って去って行った。
村田と涼香が話していたので、村田が去ってから2人の間に沈黙が訪れた。
そんな沈黙を破ったのは、高木であった。
「おい、手を貸せ。」
「え、はい。」
差し出そうとした涼香の手首を少し乱暴につかみ、両手を高木は自分の方に引き寄せ自分の両手で包んだ。
いきなりのことに涼香は一瞬何が起こっているのか、判断するための思考が停止した。
「あの!?せ、先輩!?」
「お前冷え性なのに、こんな寒そうな役やって、しかもこんなに寒い部屋だしよ……。」
「でも、前にうちが雪女やるって言ったとき、からかったじゃないですか!」
「それは冗談だよ。」
さらにぎゅっと強く握られた、高木の手の温もりに徐々に涼香の頬は火照っていき今の状況を判断し赤くなった。
「あ、あの……もう大丈夫です。」
「何言ってんだよ、まだ冷てえだろ。もう少しこのままいろ。」
涼香の頬はさらに赤みが増した。
引き寄せられたせいで、ほとんど抱き寄せられているような距離であった。
顔を上げると高木の顔がすぐそこにあった。
数分経ち、やっと涼香の手の温かさに納得がいき、高木は手を離した。
その間涼香の心臓はものすごい速さで脈打っていた。
必死に鼓動が聞こえていないようにと涼香は祈っていた。
平静を装っていた高木だったが、その頬は赤く染まっていた。