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Re: 君の隣 【オリキャラ募集中】 ( No.43 )
日時: 2014/02/17 23:32
名前: 音葉 (ID: CE4YyNoS)

その後、実と奈美、村田と朔也と合流しお昼も食べ終わり、各クラスの屋台や出し物へと回りお昼休憩の時間を満喫していた。

「おい涼香、口にケチャップついてるぞ。ここ。」
「え、嘘!?」

自分の顔で口元を指さし指摘した朔也と同じところを急いでティッシュで拭いたがそこには何も付いていなかった。

「嘘つき!!まじで心配になったんだから!」
「そんなにがっついて食べてたのが悪い。」
「がっついて食べてない!」
「ってか涼香よく着物でそんなはしゃげるよな…着物が台無しだな。」
「うるさいな!朔也はいちいち憎まれ口叩かなくて結構です!」

涼香は朔也の方を向きながら歩きつつ、いつもの口喧嘩を繰り広げていた。最も賑わっていた頃に比べると大分人は減っていたが、人に当たる可能性は少なからずもあった。

「涼香……いいかげんに前向いて歩かないと誰かに当たるよ!」

涼香に対して奈美は注意をしたが行ったときにはすでに遅く、涼香の後ろにいた人と背中がおもいっきりぶつかった。その反動で涼香は前のめりに転んび、反対側では同じように転び持っていたであろう荷物が床に散乱していた。

「ごめんなさい、うちがちゃんと前向いて歩いてなかっ……。」

振り向きざまに言うと涼香は言葉が途中で止まった。

「いえ、こちらこそ不注意でした。」

そう言った少女の姿に同じ女であったが、涼香は見惚れてしまった。
心の内を見透かされるような透き通った大きなアイスブルーの瞳に腰の近くまであるサラサラな水色の髪に色白の肌、どこかのお姫様かと思うほどの容姿であった。
ハッと我に戻り床に散乱していた彼女の荷物を拾い始めた。もちろん実や奈美達も手伝っていた。

「本当ごめんなさい、けがはないですか?」

すべて拾い終わり改めて頭を下げると、少女は焦ったように手を軽く振って否定した。

「いえいえ、けがはしてませんよ。大丈夫です。」

そう言い少女は腕時計で時間を確認した。

「すみません、人を待たせているのでここで失礼させてもらいます。」
「あ、はい。」
「でわ、また。」
「また?」
涼香はつい聞き返してしまった。そんな涼香に少女は笑みを浮かべた。

「えぇ、また今度会えますよ。」

小さくお辞儀をし、人ごみの中へと消えて行った。
涼香は少女が言った「また今度会えますよ。」という言葉が気になっていた。

ーどういうことなんだろう……他校生みたいだし

「すっごく綺麗な人だったね。」
「あ、うん。うち見惚れちゃったよ。」

「思い出した!!涼香今の美少女、水城グループの令嬢だよ!ほらテレビとかで出てるし……どっかで見たことあるなって思ってたんだよ。」

ずっと腕組みをして考えていた奈美は、自分で言ったことに対して驚きを隠せず一気に言い放った。
いろいろと疎い涼香だが、すぐに頭の中でテレビで見た令嬢と今会った少女が一致した。

「嘘……そんなすごい人と話してたのうち……。しかもぶつかっちゃったし。」

唖然としている涼香に追い打ちをかけるように村田は言った。

「みんな令嬢ばっかりに驚いて気づいてないようだけど、さっき彼女が着てた水色と白の制服って偏差値1位を誇る藤崎女子大学付属藤華高校のだよ。」

「最難関の!?オーラが違うとは思っていたけど、容姿端麗に加えて頭脳も良しとかどんだけだよ……。」

奈美はがっくしと頭をさげた。
依然と魂がどこかさまよっているように唖然としている涼香を高木が1人必死に揺すっていたがしばらくは戻ってきそうにはなかった。