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Re: 君の隣 【オリキャラ募集中】 ( No.50 )
日時: 2014/03/21 23:20
名前: 音葉 (ID: CE4YyNoS)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode


「ねえ、実は写真の相手は村田先輩を指名すんでしょ?」
「うん。」

頬を少しだけ赤く染め俯いて答えた。

「で、涼香は?あたしは高木先輩だけど?」

すぐさま、涼香にも質問が振られた。
もちろんこのセットを頼んだのだから、誰かを指名して一緒に写真を撮ってもらうとはわかっていてその相手も高木にしようと決めていたが、いざ口に出そうとすると上手く言葉を紡ぐことができなかった。

「まだ、決めてなかったの?」
「え、いや……そういう訳じゃないの。」
「じゃあ?」
「……高木先輩がいいなって思うけど忙しそうだから……」
「そんなの、気にしないの!人気で忙しそうだけどそこでうちらが引く必要ないでしょ!」

涼香の言葉を遮るように奈美が言い放ちその勢いで、近くにいた執事に写真の指名を伝えていた。そのまま、指名を伝えた執事に撮影コーナーまで案内をされた。

「指名ありがとう、実ちゃん。」
「ううん、最初から充君を指名するつもりだったもん……。」
「それはうれしいな。」

そんな実と村田のやり取りを見ていた涼香と奈美は少し呆気にとらわれていた。

「なんだ、あのいい雰囲気は!?。」
「まあ、そう言わず。」

奈美をなだめていると、高木が涼香と奈美の元へやってきた。

「で、俺を指名したのが、林と谷口か。」
「はい!先輩が一番かっこいいですから!」
「それは、ありがたいお言葉ですね。」
「もう、執事っぽく振る舞わなくていいですよ?」
「じゃあ、やめる。結構疲れるんだよ。」

いつの間にか、実と村田の写真が撮り終わっており、話終わった奈美が写真を見に実の元へと小走りに向かっていた。

「……先輩、すごい人気ですね。いいですね。」
「なんだ、元気ねえな。やきもちか焼いてんのか?」

涼香は少し拗ねたようにそっぽを向いた。
そんな涼香のしぐさを高木はからかうようしてに笑って言った。

「そんなんじゃないですよ!ただ大変そうだなって思って。」
「……結構大変だぞ。作り笑いしなきゃいけねえから、もう引きつりそうだよ。」

大げさに肩を落とし顔をマッサージするように頬を両手でグイグイと押していた。

「本当大変なんですね……って作り笑いしなきゃいけないほど先輩って笑顔じゃないんですね。」

高木のしぐさについ笑みがこぼれた。
さらにツボに入ったのか、笑いが止まらなくなっていた。

「お前、笑いすぎだ。」

そう言いながら涼香の頭を軽くはたいた。

「暴力反対です!……あ、そうだ先輩覚えてます?準備の時に話したことを。」
「どのことだ?」
「先輩が執事で、うちがお嬢様ならいろいろ言えるって話ですよ。」
「……わすれ。」
「忘れたなんて言わないですよね?」

高木が言おうとしたことを、言わすまいと途中で言葉をかぶせた。
たじろく姿を涼香は勝ったりと思いながら見つめた。

「……覚えてる。」

はあと深いため息をつき、意を決した。

「……何が望みでしょうか涼香お嬢様。」

高木にお嬢様と呼ばれ、一瞬戸惑った涼香であったが、それを表に出すまいと必死にこらえた。

「うちと写真を撮るときは作り笑いの笑みを一切しないで。」
「了解しました。ってお前それだけかよ!」
「はあ、先輩に上から目線……もう2度とないわ、いつもは逆だから。」
「お前調子に乗るのもいい加減にしろよ?」
「お嬢様のほうが立場上だもん!」

勝ち誇ったように涼香は高木に向かっていた。
高木も口では怒ってる素振りをし、言われるがままになっていたが高木にも考えがあった。

「では、お嬢様。」

1度言葉を切り、席にいた時と同じように耳元に手を当てた。

「それ以上私を怒らせようとするならば、お仕置きが必要ですね?」
「な!?」
「それともお仕置きをご所望で、わざとやってるのですか、涼香お嬢様?」

耳を押え顔を真っ赤にして高木を軽くにらんだ。

「形勢逆転だな、お前執事になりきってる俺に弱すぎ。俺に立場的に勝つなんて100年早い。」

今度は高木が勝ち誇ったように頬を真っ赤に染まった涼香を見て、笑っていた。

「先輩の意地悪!」
「何とでもどうぞ。ほらそろそろ順番だ、行くぞ。」
「はい……。」

高木は涼香の手首をつかんだ。
そのまま引きずられるように涼香は連れてかれた。

「ねえ、うち相手変えようかな……完璧忘れられてるし、涼香の後に一緒に撮ってもらう勇気がないわ。」
「なっちゃん…。」

端っこで見ていた奈美を村田と実が必死にフォローをしていたことはもちろん涼香と高木は知らない。
このあと、奈美は結局高木と写真を撮っていた。