コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 君の隣 【リクエスト募集中】 ( No.56 )
- 日時: 2014/04/29 22:36
- 名前: 音葉 (ID: CE4YyNoS)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
〜番外編〜
3、勇気を出して……
後夜祭でおきた本編とは違うもう一つのお話
村田を捜し、廊下を歩いていた。ふと窓から外を見ると中庭には探していた村田がベンチに座ってた。
実は中庭に向かって走り出した。
早く……早く、充君に伝えたい
実は心に決めていたことがあった。
だからどうしても後夜祭が始まる前に伝えたかった。
息を整え近づこうとすると話し声が聞こえ、実はとっさに建物の陰に隠れた。
声の方を覗いてみると村田と見覚えのある少女が村田の前に立ち何かを話していた。
「……ほんまに?よかったわ。」
「うん、そのくらいならどうってことないよ。」
「人がいなくて困ってたん。」
会話の最後の方しか聞くことが出来ず実はその会話が後夜祭のことについてのことだと思い、さらに村田はそのことにOKを出してしまったのだと思い、実はいてもたってもいられずその場にでた。
「あれ、実ちゃんどうかしたの?」
「着物着とった子と一緒におった子やないの。」
実は顔を見てその少女が「滝」と呼ばれる少女と確信した。
文化祭の準備では、よく村田と見かけていたし文化祭中でも何度か村田に話しかけていたがタイミングが合わずにいるところを見かけた。
グッと気持ちを押し込めて、いつもの表情をつくる。
「……充君、もう決めちゃったんだね?」
「え?」
本当はこんなことを聞きたいわけじゃない。
でも今はその言葉しか出てこなかった。
「滝先輩人いなくて困ってたんですよね?」
「まあ、そやけど。」
「やっぱり、遅かった……」
消え入りそうな声で呟き、俯いた。
滝は少しのやり取りだったが実の気持ちを察し、楽しそうに笑みを浮かべていた。
「実ちゃん何か勘違いしてない?」
「だって、大丈夫って。」
今の状況が読めず村田はただただ戸惑っていた。
「充ちゃんが承諾してくれて、ほんま助かったんよ」
「……」
ここにいるのが何となく場違いに感じ、去ろうとした。
「じゃ、うち行かなあかんから、ペアが待っとるから。」
「へ?」
間抜けな声を出してしまいとっさに口を押えた。
「着物着とった子に、今度話が出来ひんか聞いといてくれな。」
「了解。」
今度は実が戸惑い混乱していた。
そんな実に滝は近づき、去り際に一言残していった。
「実ちゃん、言うたよな、充ちゃんはまだ相手決めてへんから大丈夫やで。」
実はその一言に自分が早とちりをしていたことに気が付き、一気に顔が赤くなった。
続く……