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Re: 君の隣 【参照600突破感謝!オリキャラ募集中】 ( No.62 )
日時: 2014/07/17 01:19
名前: 音葉 (ID: IpkVD1bf)


「じゃ、この問題までやってみろ。俺は本読んでるからどうしても無理って時だけ呼べよ。出来る限り自分の力でやってみろ。」

高木は言い残し、本に視線を移して読み始めた。
訪れたのは沈黙だった。
静かな空間に聞こえてくるのは時計の秒針、図書室ではありえない規則正しい寝息。

なんとか解いていったが、応用問題に差し掛かるとどうしても手が止まった。聞いてみようと横目でそっと高木を見た。

改めて思ったが、羨ましいほどの綺麗な整った顔だ。
真剣に本を読んでいるその横顔は様になっていて、まつ毛も長いなと思っていると視線に気が付いたのか目があった。
気まずさを感じ慌てて視線をそらそうとしたが。じっと見られそらすことが出来なかった。

「おい、いつまで人の顔を見つめてるつもりだ?俺の顔に何か付いてんのか?」
「な!?別に……ただすごい集中力だなって。」
「普通だよ。お前の集中力が無いだけ。で、俺の顔に見惚れてる暇があったんだから終わってるんだよな?」

悔しいけど図星であった。
確かに見惚れていたが、絶対に肯定する勇気はなかった。

そんな涼香をほっといたまま、またノートに手を伸ばしていたのに気づき、慌てて奈美の方へとスライドさせた。
ほとんどが真っ白のノートを見せた後が想像しただけで恐ろしい。

「見惚れてません!……終わっては無いです。わからないので……教えてください。」
「最初からそう言えばいいんだよずっと人の顔を見てないで。」
「いつまでそれ言ってるんですか!」
「ずっと。ほら早くしないと時間が無くなっちまう。見せて見ろ、教えてやるから。」

素直にノートを出してみると、思っていたこととは真逆の展開になった。
怒られると身を構えていたが、真剣にかつ分かりやすく優しく教えてくれたのであった。

ときどき尋ねられるときに、横を見ると顔が思ったより近くて何度心臓が跳ねたであろうか。

別に恋愛感情は持ってないはずなのに……いつも鼓動が早くなる

そんな考えを、こんな誰もがかっこいいと思う男子といたらそうだよねっと自分の中で勝手に言い聞かせていた。