コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 真実の妖精王国【mystery love】 ( No.142 )
- 日時: 2014/03/06 21:02
- 名前: 夕衣 (ID: VI3Pf7.x)
03 彼女の欲しいもの
僕たちは、リレークの案で3チームに分かれている。1つ目は、ルル、レオン、クララ、ヒューズの水系妖精チーム。2つ目は、リレーク、パププ、コウキ、ティリナの森系妖精チーム。最後に、僕、ユウカ、カティラ、リンゲル、サリシアのその他チーム。
僕たちは、マータの“好きであろうもの”を集める事にした。
──はっ。
「どうしよう。僕、マータの好み知らない…」
「え、好きなのに?幼なじみなのに?」
「うるさい」
女子って言うのはどうしてこうしつこいのだろうか…
「なら、私に任せて」
機械づくりの得意なサリシアが言った。確かに、彼女は頼りになりそうだな…
彼女はそう言うなり、目で追えないくらいの速さで何かを作り始めた。
「な、何作ってるの?」
「ひ・み・つ☆」
答えながらでも、サリシアの手は止まらない。さすが…
*五分後
「でーきたっ!」
「なにそれ?」
彼女の右手には、黒い謎の機械が乗っている。
「フェル、わかんないの?カメラよ、カメラ」
言われてみて、レンズがある事に気がついた。
「これを、マータの家に忍ばせて、部屋を観察するのよ」
「え…ええええええええっ!?」
いくらなんでも、幼なじみとは言え女の子の部屋を覗くのは…ちょっと…
「大丈夫よ。見るのは、私たち女子だから。特にリンゲル、あんたにはぜーーったい見せないからね」
「サリシア、ひどっ!」
そうだった。リンゲルは、極度のいたずら好きで、ヒューズと一緒に街を荒らしてるって聞いたことが…
「じゃあ、飛ばすわよ!」
カチッ。
ブゥゥゥウン…
カメラは、ずっと電源が入っているから、途中の森の中も映る。一瞬だけ見えたのは、花を手にしたリレークたちと、空に打ち上げられた水滴だった。
「あ、マータの家、映ったよ」
「じゃあ、フェルとリンゲルちょっとどいてくれるか?」
そう言ってユウカは、僕とリンゲルを押しのけた。
ちょっとユウカさん?痛いんですけど。
「か、かわいいわね…」
「そりゃ、マータの部屋だからかわいいと思うよ」
僕がそういうと、サリシアたちが僕を意外そうな目で見た。
「え…フェル、あんた幼なじみなのに部屋入ったことないの?」
「え、あ、うん」
サリシアは首を傾げながら画面に目を戻した。
「あっ!」
カティラが声を上げた。
「どうしたの?」
「今日、マータ…誕生日みたいよ。フェル、絶好のチャンスじゃない!」
僕は、誕生日に告白するのか…
ドラマのようなロマンチックな展開を想像し、顔を赤くする。
「あ〜っ。フェル、顔真っ赤〜!どうせ、ロマンチックなこと考えてたんだろ」
ず、図星…
その時、サリシアたちが画面から目を離し、カメラの電源を切った。
「ど、どう?」
サリシアはちょっと考え、口を開いた。
「マータは、ほんとに音楽が大好きみたい。クラシックの曲のCDが何枚もあったし、私物のほとんどが音符模様。それと…」
マータらしいな…
「手紙が貼ってあってね、『メロディ・バイオレットが欲しい』って書いてあったの。そばには、メロディ・バイオレットのイラストもあったわ」
メロディ・バイオレットと言えば、このコーレリアの森のどこかの“スカーレット”という場所にしか咲かない、幻の花…!
「で、どうするの?」
「さっきリレークたちが花を摘んでるの見たでしょ?そこに行ってくるわ」
そう言ってカティラはものすごいスピードで去っていった。
♪後書き♪
今回の話、めちゃくちゃですよね…すみません。
この辺で、タイトルの意味が分かった方もいらっしゃるのではないでしょうか?