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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 真実の妖精王国【オリキャラ全員登場&質問募集中】 ( No.170 )
- 日時: 2014/03/06 21:24
- 名前: 夕衣 (ID: VI3Pf7.x)
06 証言がすべてのヒント
「あの、エリオスさん….」
「何だい?」
僕は床に不思議なものを見つけ、エリオスさんに声をかけた。
「ここ、見てください。あと、遺体の傷口付近も」
「黒い…粉?」
かがんで床に顔を近づけるエリオスさん。
「ありがとう。調べておくよ」
「はい。あ、それと、あるものを貸して頂きたいんですが…」
エリオスさんは無言でうなずき、それを僕に渡す。僕はそれを受け取り、その場をあとにした。
ガラガラガラ…
今時珍しい、引き戸のドアを開ける。容疑者たちに話を聞くためだ。
「あら、さっきの子じゃない」
「ちょっと、ブーケさんにお伺いしたいことがあるんですが…」
僕はできるだけ笑顔を絶やさず言った。
「なあに?」
「では唐突に言いますが…その右手首の染み、どうかしたんですか?」
みんなの視線が彼女の手に集まった。
当の彼女は、なぜだかとても悲しそうな顔をして、うつむいている…何があったのだろうか。
「…事件の前に絵を描いててね、ちょっとドジったのよ」
「なぜ、着替えなかったんですか?」
彼女は僕を恨めしそうにみた。
「なぜって…時間がなかったから」
「どうして?」
彼女は困った顔をしている。これ以上責めるのはかわいそうだ…
けど、僕にはマータの無実を晴らすという重大な任務がある。だから、そうそう手を抜いていられないのだ。
「どうしてって…レン君が殺されたって聞いたら、飛び出さずにはいられないじゃない?」
「……そうですか、わかりました」
僕は再び現場へと戻った。
ダイイング・メッセージを確認するために。
──マータの言ってた通りなら、きっとできるはず。
先程エリオスさんにもらったあるものー霧吹きを、そのダイイング・メッセージの上にかけた。
「あっ……」
やっぱり。
これなら、大丈夫だ。
間違いない、犯人はあの人だ───
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