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Re: 真実の妖精王国【参照1000感謝&3章開始】 ( No.207 )
日時: 2014/04/04 20:33
名前: 夕衣 (ID: VI3Pf7.x)

03 夢と現実

「……で、何でお前と一緒に行かなきゃいけねーんだよ?1人でいいだろ、1人で!」

3時50分、約束の10分前。
優斗に経緯を説明したところ、不満そうな返事が返ってきた。その割には楽しそうにしてるけどね。

「心配なんじゃないの?」
「でもオレじゃなくて良くない?」

……即答された。若干ショック。
確かに彼の言うとおりなんだけどぉ……でも、優斗がなんだかんだ言って家族の次に近い存在なんだよね、これが。あーもうほんとヤメテ……

「近くにいたからかなぁ…あたしと一緒、そんなにイヤなの?」
「そういうわけじゃないけどさ……」

その言葉に思わず安堵の息をもらしてしまう。なぜだか、ほっとしていた。
そして優斗は退屈そうにブランコを漕ぎ始める。

「……あら?早いわね」

突然声が降ってくる。思わず見上げると、アリサちゃんの姿があった。そして優斗のほうを見ると、彼はなぜか険しい顔をしていた。
あたしは疑問を感じ、優斗に小声で聞いた。

「どうしたの?そんな顔して」

すると、思いも寄らぬ返答があった。

「……絵梨は、感じないか?この、…胸騒ぎ」
「えっ?」

もちろん、あたしはなんにも感じない。どうしてそんなことを言うのだろうか。

「…こいつ、危ないかもしれない。気をつけろよ」
「まっさかぁ。だいじょ…」

嘘だと思って、信じられなくて発した言葉は、そこで途切れた。なぜなら、優斗がものすごく真剣な顔をしているから……
本気なんだ。本気でそう思ってるんだ。あたしにわからない“何か”が優斗にはわかっている。危険なその“何か”が。でも、あたしにはなんにもわからない。

「おーい。行くわよ?」
「……あ、うん!」

アリサちゃんの声がした。危ないかもしれない、彼女の声が。

「準備はいいかしら?フェアリー・イズ・グリアーナ!」

カティラちゃんと同じ呪文。妖精たちは、みんなこの呪文を唱えるのかな……
唱えた途端、突風が吹き始める。
その強さに、あたしは思わず目をつぶってしまった。





すとん。
前のように、羽根がない。肩から掛けているバッグに入っているみたい。

「あら、お揃いかしら?ふたりのファッション」
「へ?」

たしかに、昔はよく色違いとかあった。でも男女ということもあり、お揃いになったことはなかった…はず。で、何で今お揃いになるの?

「だってほら。青いしずく型のワッペンついてるじゃない」
「ワッペン…?あ、これね」
「ワッペン…?あ、これか」

……え。マジ?

「え、絵梨も?」
「うん……それ、どこで買った?」
「多分母さんが買ってきたから…パウターだろ」

あぁぁ……一緒だ。最悪。絶対誤解される。
ちなみに『パウター』というのは近所の手芸屋さんのこと。

「で、おふたりさんはどういう関係なの?」
「……幼なじみです…」

でも、アリサちゃんのいうこと間違ってない。まさか示し合わしたんじゃあるまいし、何で好みの違うあたしたちが同じワッペンつけるのかな。

「くす…」
「なんなのよーっ!」

アリサちゃんは答えないで笑ってる。
その笑いは、なんだか怖かった。



♪後書き♪

新年明けましておめでとうございます。お久しぶりです…( ; ; )
そして、しばらく更新してなくてすみません!!

さて。新年最初の話は、なかなか午年だけにウマく書けた……わけないです。
展開早すぎてついていけませんでしたよね?汗

はたして優斗の予言は当たるのか。楽しみにしていてください!