コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘つき天使とホンモノ悪魔【元・真実の妖精王国】 ( No.265 )
日時: 2014/11/12 16:28
名前: 夕衣 (ID: VI3Pf7.x)

16 真実への道標-hint


しばらくして、木の陰から大智が現れた。手には、しっかりと携帯電話が握られている。もちろん、余計な証拠を残さないようにハンカチごしに、ではあるが。

「だ、大智君…」

琴葉が不安そうに声をかけた。大智は首を横に振り、彼女を見据える。

「…電話はあったけど、誰もいなかった。仮説は……ほとんど当たってる」
「そう…」

そばにいたみんなは、戸惑いがちにうなずき目を伏せた。まるで、真実を拒むかのように。

「……ね、そういえば見つかった場所おかしくない?」
「え? どういうこと?」

突然、瑠花が問い掛けた。

「だって、仮にあそこにずっと置いてあったとしたら、
つじつまが合わな…っ!?」

そのときだった。

シュッ───

瑠花の目の前を、言葉の続きを遮るように何かが横切った。それは人影のように彼女の目には見えた。
そして、それに即座に反応した優斗がその〔何か〕───いや〔誰か〕を追いかけた。

「待てっ!」

〔誰か〕の走るスピードは異常に速かった。いや…飛んでいるのかもしれない。

それでも優斗は、大切な〔彼女〕のためにその〔誰か〕を必死に追っていった。








コツ…コツ…コツ……

〔誰か〕の足音が近づいてくる。あたしの意識は、すでに朦朧としていた。
ふわっ…と突然体が軽くなる。

そこからは、もう、覚えていなかった。







かなり短くなりましたすみません!
次回以降は長めになりそうですm(_ _)m