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Re: 君と進む未来なら【圭太編 更新しました】 ( No.105 )
日時: 2013/12/14 20:30
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: ozdpvABs)

   【圭太編 第七話】



 場の空気が和んだその時、圭太が驚くべきことを口にした。
「実はオレ、九頭竜の…つまり悪霊の力を手に入れたからかなぁ、
 夜行性になっちまったみたいなんだ」

「「「「え?」」」」
 私達四人は一斉に声を上げる。

「実はさっきまですっげー眠くて、サヨが起きるまでオレも寝てたんだよ。
 その上、あまり日光に当たりたくないんだ」

 ふむ、と智晴が顎に手を添える。
「確かに考えられるな…」

 その隣で凌輔が言った。
「いいんじゃねーの?夜活動のほうがより多くの悪霊を見つけられて
 特訓になると思うぜ」

 凌輔の言う通りだ。私も頷いた。
「うんうん、そうだよ。圭太、私も夜行性になるよ!」

 すると、圭太は嬉しそうに笑った。
「助かるぜ、サヨ!んじゃあ早速今日から始めようぜ!」

 ドキッ

 ——その笑顔に、その言葉に、
 心臓が再び跳ね上がった。



 - - - - - - -



 その後、しばらく五人で雑談して、私は二ノ宮家に戻り、
 圭太と一緒に今までのことを話した。

 二人は驚いていたが、私達の意志を伝えると、真剣な表情で了承してくれた。



 時刻は深夜零時。

 私と圭太は、住宅街から離れた山の麓に来ていた。
 悪霊はここら辺に現れやすいうえ人気がないため、人に見つかることはない。
 もしこんな夜中に警察とかに見つかったら、
 青少年保護法やら何やらで補導されてしまうからなぁ。

 私は圭太に指揮棒を向けて唱えた。
「発動」

 力が開放され、強い霊力が赤目の圭太を包む。

「私が出来るのは力のオン・オフと、どのくらい力を出すかだけみたい」
「じゃあそれ以外はオレ次第って訳だな」

 その時、ちょうど良いタイミングで悪霊が現れた。
 しゃらん、と鞘から刀が抜かれる。

「早速試してみる!」
 圭太はそう言うなり、悪霊に飛びかかった。

 悪霊の霊力は強めだったが、圭太は瞬殺してしまった。

「ふう…あれ?」
 何かに気づいたかのように、圭太が声を上げた。

「昼間は祈祷したら頭痛が起こったけど、今は何ともない!」
「それって力を使い慣れたってことじゃない?」
「だよな!よっしゃあ!!」

 そう言って、圭太は今日一番の笑顔を見せて喜んだ。

 どきんっ、と心臓が大きく跳ねる。

 ——あれ?そういえば私…
 今日は、圭太の笑顔を見るたびにドキドキしている…。

 ふとそう思った、その時だった。

「これもサヨのおかげだよ。ありがとな」

 圭太が私と目線が合わさるように膝を屈めて微笑み、
 私の頭をくしゃりと撫でた。


 瞬間、心臓が今までにないくらい跳ね、早鐘を打ち始めた。


 圭太の笑顔に見とれる。
 圭太の仕草がいとおしい。

 これってもしかして…