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- Re: 君と進む未来なら【凌輔編】 ( No.214 )
- 日時: 2014/01/28 20:47
- 名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: 8keOW9sU)
【凌輔編 第六話】
はっとして振り向くと、そこには九頭竜——史人さんが立っていた。
「史人さん!」
「九頭竜!」
凌輔が私を庇うように立ち塞がる。
史人さんは笑顔のまま言った。
「やぁ、沙依。それと…禁忌を犯した南凌輔君」
「てめぇ、なんでそれを知ってんだ!?」
警戒の色を深める凌輔に、史人さんはさらに微笑んだ。
「だって、あの時現れた悪霊は俺が引き寄せたものだから」
「なっ…!」
凌輔が目を見開く。
それってつまり…
「俺が君に悪霊の力を目覚めさせたんだ。君の中に眠る力なんてすぐに気付いたさ」
凌輔の顔に怒りが滲み出る。
「くっ…てめぇ…!」
「なんでそんなことをしたんですか!?」
私がそう尋ねると、史人さんは私を見て答えた。
「沙依が南君のもとに行ったからだよ」
「え…?」
「沙依の困惑する姿が見たくてね。惑っている隙に君を拐おうと思ったんだ」
私が目を見開いていると、凌輔が槍を召喚して史人さんに尖端を向けた。
「おれに禁忌を破らせたのは別にいい。だが沙依は渡さねぇ!」
そして、史人さんを睨み付けたまま告げた。
「おれは追放者だ。だからなるべく早くこの町から抜け出したい。
だから——今ここで、お前を倒す!」
「凌輔…!」
すると、史人さんは声を出して笑った。
「あははははっ、ならかかってきなよ」
いかにも馬鹿にしたようなその笑いに、凌輔は眉をひそめると…
史人さんに飛びかかった。
ひゅんひゅんと空気を切り裂く刃を、史人さんは素早くよける。
しかし、凌輔も負けていない。
一つ一つの動きが、以前よりも確実に速い。
「へぇ、なかなかの速さだね!」
「当然だ。もう禁忌を破ったから、思う存分力が出せるからな!」
そして、槍が史人さんの腕を切り裂いた。
「あ、油断しちゃった」
軽く呟く史人さん。
凌輔は続けて槍を振りかざす。
史人さんの身体に、細かい傷が増えていった。
すごい!史人さんに負けてないよ、凌輔!
一旦凌輔は動きを止め、史人さんに尖端を向けながは言った。
「さっき馬鹿にしたよな。そうしたことを後悔させてやる」
すると、史人さんは笑顔を保ちながら返した。
「…それはどうかな?さて…そろそろ本気を出さないとね」