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Re: 【コメ募集中!】君と進む未来なら【共通編 】 ( No.63 )
日時: 2013/12/17 20:22
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: qZbNjnvV)

   【第二十八話】



 僕は自宅で、はとこの和馬にこの前起こったことについて説明していた。
「…で、僕らはその会議で、さっき和馬に話したことを説明したんだ」
「ほえー!それは大変だったね、旭兄」

 一昨日の祈祷師の会議に出してもらえなかった和馬は、わざわざ僕のもとを訪ね、
 何があったのか説明を求めた。
 高峰のお婆様は最近忙しいため、構ってくれないらしい。

「他にききたいことはある?」
「えーっと…そうだ、沙依さんのことなんだけどさ」
 和馬は首を傾げて尋ねた。

「沙依さんは九頭竜に無理矢理仮契約されたんだよね?
 それって『呪い』みたいなものなのかな?」

「…!!」

『呪い』
 その単語が、僕の頭の中で重く響いた。

 僕は平静を保させながら答えた。
「いや…呪いとは違うんじゃない…かな…」
「そっかぁ」

 納得したように頷く和馬に「ごめんトイレ行ってくる」と言い訳して、
 リビングから出た。
 …和馬にはそう答えたけど、確かに仮契約も呪いみたいだ。

 沙依ちゃんに…呪いが…?

「やめてくれ…っ!」
 あの事を思い出そうとする頭を抑え付けて、僕はその場に踞った。



  - - - - - -



 太陽が傾き始める時間。
 私は遥姉さんとスーパーに向かって歩いていた。

「付き合ってくれてありがとうね、サヨちゃん」
「うん、遥姉さんと二人で出掛けたこと、あまりなかったからね」

 二人で話しながらスーパーの入口前まで来たその時、自動ドアが開いて旭が出てきた。

「あっ、旭!」
 私の声を聞いて旭が顔を上げる。
 すると——

「…!」
 旭は一瞬硬直したかと思うと、ペコリと頭を下げ、すぐに通り過ぎた。

「旭…?どうしたんだろう?」
 首を傾げる私の横で、遥姉さんも不思議そうな顔をしていた。
「旭君、いつもなら挨拶するのにねぇ」

「急いでいたのかな」
 とりあえずそう考えて、私達は店内に入った。



 買い物を終え、私と遥姉さんは帰路についていた。

「付き合ってくれたうえ荷物まで持ってくれるなんて、
 サヨちゃんってホント良い子!」
「このくらい手伝うの当たり前だよぉ」
「さすがサヨちゃん…あれ?」

 遥姉さんが前方を指差した。
「向こうから来るの、旭君じゃない?」
 遥姉さんの言う通り、そこには俯いて歩いてくる旭がいた。
 まだここら辺で歩き回っていたのかな。

「あ、ほんとだ」
 私は旭に駆け寄った。

「旭!また会ったね」
 すると、旭は驚いたような表情をして私を見たが、すぐに目を反らした。

「あ…うん、そうだね」
 小さな声でそう言うと、私と一度も目を合わせずに、すぐ去ってしまった。

「旭…?」
 まるで昨日の圭太のようだ。
 …いや、圭太はただ元気がなさそうだったけど、旭は…

「私を避けてる…?」

 どうしてもそう感じてしまうのだ。