コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 君と進む未来なら【個人編始まるよ!】 ( No.85 )
- 日時: 2013/12/06 21:48
- 名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: ozdpvABs)
【圭太編 第一話】
私が一番気になるのは…
真っ先に思い浮かんだ名前を呟いた。
「…圭太」
いつもは弾けるような笑顔をしているのに、元気がなくなっている。
そんな圭太が、一番気になるし一番心配だ。
結論を出して、私は立ち上がった。
「…行こう」
そう自分に言い聞かせ、部屋を出た。
一人で屋外にて行動することは禁止されているので、私は遥姉さんに
「智晴達と会う約束がある」と言い訳して、二ノ宮家を出た。
圭太がいそうな場所はやっぱり…
私はあの竹藪へ向かって走った。
自己最短記録で竹藪に到着した。
圭太はここで修行している可能性が高い。
私は竹藪に足を踏み入れた。
強くなってきた風が竹をザワザワと揺らしている。
しばらく進んでいると、風の音に紛れて聞こえてくるものがあった。
「…おい、……なの…」
はっとして声が聞こえた方を見ると、圭太の姿が遠巻きに見えた。
「けい…」
大声で呼ぼうとした瞬間、圭太の近くに誰かがいることに気が付いた。
そーっと近付くと、その人物の正体が分かった。
あれは…女性の霊?
不意に、その霊と目が合った。
「!!」
思わず身体が強張るが、霊はすぐに反らすと圭太に近付いた。
次の瞬間、強風が竹藪に吹き荒れた。
「わあああっ!?」
慌てて近くの竹にしがみつき、足を踏ん張る。
風はすぐにおさまった。
「い、一体何が…」
呟きながら圭太の方を見て——
私は目を疑った。
そこにいるのは…圭太?
圭太だけど…でも…でも…
そこに立っている圭太は、赤目になっており、強力な霊力を纏っていた…。
「圭太!」
私が駆け寄ろうとしたその時、突如向こう側から悪霊が二体現れた。
すると…
圭太は鞘から刀を抜くなり、悪霊に飛び掛かって刃を振りかざした。
——人間が出せるはずのないスピードで。
圭太が着地した時、既に悪霊は二体とも消滅していた——。
「……っ!!圭太!!」
私は身体の震えを抑えて、圭太のもとへ飛び出した。
赤い目のまま、圭太が驚愕の表情を見せる。
「サヨ!?お前…もしかして見ていたのか!?」
私はそれには答えず、圭太の服の胸元部分を掴んで言った。
「圭太!あの霊に何をされたの!?今の圭太…目が真っ赤だよ!?」
私は常に持ち歩いている手鏡をポケットから取り出し、圭太に見せた。
圭太も今気付いたようで、目を見開いている。
「うそ…だろ…!?」
と、その時だった。
「嘘じゃない。これは真実だよ」
まるで見計らっていたかのように、史人さんが現れた。