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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【7/26更新しました!】 ( No.10 )
- 日時: 2013/07/27 12:17
- 名前: ミム (ID: r1bonIQR)
その声を聞くと反応されるように私の体がブルッっと震えた。
私は思わずカーテンの内側に隠れると目をギュッと瞑った。
「橘千歳さんバレバレよ。さぁ一緒に来てもらうわ!」
そう言って近づいてくると私の腕を無理やりつかんだ。
「えっ…ちょっ」
近くに居た鈴は見て居られなかったのか私を助けようとしてくれた。
「待ってください!千歳が何かしたんですか?」
睨みつけるような目で鈴は先輩達を見ると私の前に立った。
鈴…
ありがとう。
「あら、貴方は千歳さんのお友達かしら?だけど今あなたに話しているのでは無いの。分かるでしょ?」
「分かってます。だけど————」
「さぁ、行くわよ!」
先輩は又私の腕を掴むと引きずるように教室から出した。
「千歳っ…!」
鈴の声が微かに聞こえたような気がした。
体育館の裏側に連れて来られると壁に迫られ5人と言う女子の数に圧倒された。
「あのっ…」
「うるさいわねっ!あんた今日亮様にぶつかったわよね?」
「は、はい?」
亮って誰?
もしかしてあの人の事?
「とぼけんじゃないわよ!私ちゃんとこの目で見たんだからねっ!」
先輩は怒鳴りつけると私の頬を殴ろうとした。
私は力をめいいっぱい目に入れると勢いよく瞑った。
———パシッ
あれ…
だけど痛くない…
そっと目を開けてみるとそこには今日ぶつかった男の先輩、亮先輩が居た。
亮先輩は殴ろうとしていた女子先輩の手首を握りしめると殴ろうとするのを防いでくれた。
「り、亮先輩!?」
女性先輩は驚いた顔で亮先輩の顔を見ると逃げていった。
そのまま去ろうとする亮先輩を私は引き留めるように声を出した。
「あのっ!そのっ…ありがとうございましたっ…」
その言葉を聞くと同時に亮先輩の口角が少し上がったような気がした。
まさかこの先輩が兄になるとは私は知らなかった。
2話 完
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