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- Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【10/28更新】 ( No.107 )
- 日時: 2013/10/29 13:39
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
———カチャ
気が付くと机の上に料理を並べた亮がいた。
「千歳、出来たぞ。」
「うんっ、ありがとう。」
今日は胃に優しそうなメニューだなぁ。
それもその通り今日は野菜が沢山入った雑炊だった。
しかしスプーンで一口すくって口に入れようとするが熱くてなかなか食べられない。
「貸して」
いきなり亮は私のスプ—ンを取ると「フーフー」し始めた。
まさか———
「はい、口開けて。」
「えっ、う、うん…///」
丁寧に私の口の中に運んでくれた。
あっ、丁度良い…!
それにとても美味しい!
さすが亮だなー…
でも私は何も出来ていない。
気持ちは急にブルーになっていく。
それに気付いた亮は心配そうに私を見つめた。
「美味しくなかった?」
「ううん…美味しかったよ…!」
思わず目が泳いでしまう。
私ホント何やってるんだろう?
いつも迷惑ばかりかけて良い事なんて一つもしてあげられてない。
こんなので亮は良いのかな…?
「ちと「亮…私と結婚して本当に幸せになれるの?」
「え?」
「だって私何も出来ないし…それにいつも迷惑ばかりかけて———」
———ガタッ
亮は急に席を立つと私を抱きしめた。
「亮………?」
「千歳はそのままでいいんだ。て言うかそのままじゃなきゃ困る。」
「困るって?」
「それは…俺自身も千歳に何やれてあげてるか分からない。だからこうして料理や助けに行く事で自己満足を果たそうとしている。でももし千歳が完璧になったら俺は何をどうしていいのか考えても考えても答えが出てこなくなってしまう。」
その言葉を聞いた時私は驚いた。
亮そんなに自信なかったんだ…
私は傍にいてくれるだけで満足してるのに…
「あのね私は…その…亮が傍にいてくれているだけで満足してるよ。だから亮も亮のままでいいんだよ。」
「…うん。千歳サンキュ。」
「うん!」
何となく今分かったような気がする。
きっとお互い求めているものは知識や役割なんかじゃなくて存在だと言う事。
私は一生忘れないでおこうと思った。
29話 完