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- Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【10/29更新】 ( No.108 )
- 日時: 2013/10/30 17:49
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
30話
休日が明け、私はまたいつも通り学校に向かった。
だけど気持ちは違う。
周りの人が怖くてたまらなかった。
もしかしたらまたあんな事をされるかもしれない。
そんな恐怖が私を脅した。
学校に着き教室に入ると私は席に座った。
———バクバク
何故か心臓が早くなる。
いつもは平気な一人も今日は物凄く怖い…
その時不意にクラスの女子が私を見た。
そして会話に戻る。
たったそれだけのことなのに、その女子が自分の悪口を言っているようで怖かった。
亮…
もしここに亮が居たらどんなに私は幸せかな…
こんなことなら大学になんて行かなければ良かった。
もう辞め————
「千歳ちゃん。」
「!?」
私を呼んでる?
でも私ここの学校に友達いないし…
「もう、無視しないでよー。」
声が聞こえた方に視線を映してみるとそこには翔さんがいた。
翔さんだ…
だけどこの間の事がある。
そう、キスされた事。
だから私は無視をし続けた。
「おーい。」
「……………」
「おーーーい。」
「………」
「おーーーーい!!」
「聞こえてますって!」
しかし翔さんのしつこさに我慢できなくなった私はとうとう話してしまった。
「何で無視するの?」
「『何で』ってそれは翔さんが…」
「俺が?」
その時翔さんの口元が意地悪そうにニヤッと上がった。
この顔は分かってるのに聞いてる顔だ。
ホント意地悪なんだからっ…!!
「ねぇねぇ俺が何したって言うの?」
声のボリュームが上がったような気がした。
いや確実に上がっていた。
今皆からまた注目を浴びている。
「千歳ちゃーん、聞こえてる?」
明らかに楽しんでる…
こっちだって負けてられるか…!!
妙な競争心が生まれた。
「き、ききききき……」
「『き』?」
やっぱり言えない。
「それって言えない様な事なの?」
ああー!
本当に翔さんのファンにばらしてやりたい。
「本当はこんな性格なんですよー」って。
「翔さん、意地悪です。て言うか酷い!」
「だから何で?」
「もう言っちゃいますよ!皆聞いてるんだからねっ!」
「別にいいよー」
本当に軽い人だ。
「き、きききききキスしたからじゃないですか!!」
———ザワザワ
教室が一気にざわめき始めた。
「嘘っ…?翔が…」
「ショック…」
「もうファンやめようかなぁ。」
あれなんか違う。
私はこういうのを望んでいたんじゃない。
少し意地悪してやろうと思ってただけなのに…
「う、嘘ですよ!今の冗談です!」
私は必死になって和解しようとする。(本当の事だけど)
「なんだ、良かったぁ!」
「って言うか今気づいたけど又あの子だよね?」
「ホントあの子何なの?」
そして次は私の悪口へと変わっていった。
うぅ…
でもこれで良いんだ。
もし翔さんが亮だとして、亮が女の子に軽い気持ちでキスをするって言う人だって知ったらショックで仕方がないと思う。
それと同じ事だよね…
だから私は———
「ホントだよ。」
翔さんがそう言った。
「翔さん…!!」
私は怒ろうとし、翔さんの顔を見てみる。
え………
だけどその顔は真剣だった。