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Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【10/31更新】 ( No.110 )
日時: 2013/11/01 12:08
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

31話


あの顔は本当に真剣だった。
だけどあの翔さんが私に恋なんてするのかな?
それにこの間だって「遊び」だって言ってたし…
うーん、もう分からないよっ…

帰宅途中、私はその事ばかり考えていた。
家に着くと玄関に知らない靴があった。

誰だろう?
女の人…?

その靴は黒いヒールにキラキラ光る白いダイヤモンドが付いていた。

これ確実に女の人だ。
でもどうして…

すると突然中から話声が聞こえた。


「———好きなんだ。」

「私も好き。」


亮…!?

不安が襲いかかる。

いや、でもそんなはずない。
亮は———

そう思い私は勢いよくリビングに繋がるドアを開けた。


———ガチャッ


「はぁはぁはぁ」


緊張してか呼吸が荒くなる。
しかしそこには机の上に本を並べている亮と女の人がいた。
女の人は座っていても分かるくらいスタイルが良く綺麗だった。


「お帰り。」


亮は私に声を掛けると隣に居る女の人を紹介してくれた。


「俺の隣に居るこちらの方は石川紫さんだ。」


紫さんは私にお辞儀をすると優しく微笑んだ。
私も慌ててお辞儀をすると紫さんは「クスッ」と笑った。


「妹さん、可愛いわね。」

「あぁ、そうだろ。」


もう、お兄ちゃんったら否定くらいしてよ///
だけど嬉しい。

思わず私は二ヤついてしまいそうになり俯いた。

そう言えばさっき「好き」とか何か言ってたけどあれは何だったんだろう?

また私の心は不安になっていく。


「あ、あの…さっき『好き』とかどうとかってそれは何ですか…」


消えそうな声で聞いてみる。


「あっ、それはね今度調理自習をしようと思ってるんだけどその話の事よ。」

「調理自習?」

「えぇ。私達はその担当の先生につかないと駄目だから。それで話し合いをしていたの。」

「な、なるほどぉ。」


その事を聞いて私は一気に楽になった。


「心配した?」

「え?」

「いいえ、何でもないわ。それじゃあ橘もう帰るわね。千歳ちゃんもまたね。」

「はい!なんかありがとうございましたっ。」


こうして紫さんは家から出て行った。