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- Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【11/2更新】 ( No.114 )
- 日時: 2013/11/04 22:09
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
32話
あれから一週間が過ぎた。
変わった事と言えば———
「おはよ〜う、千歳ちゃん!」
毎朝、校門前で翔さんが待っている事だ。
「おはようございます。あの何回も言いましたがこれ止めてもらえませんか?」
「もう、別にいいじゃん!」
翔さんは気にも留めない様な顔で言うと私の手を握った。
「えっ!?ちょっと…!」
「ほらほら上上がろう。」
本当に強引な人だ…
こんな所亮に見られたら本当に終わりだよ。
なんて事を考えながら翔さんに引っ張られ教室に着いた。
しかし翔さんは離れてくれない。
むしろ距離が近くなっている様な…
「な、何なんですか///!?」
翔さんは私の机に顎を乗せると上目遣いで私を見た。
なるほど、これは女子もやられるな…
だけどさっきからホント視線が痛いよ。
アイドルが本当にこんなことして大丈夫なのかな?
「翔さん、いい加減離れてください。」
「えっ、やだ。」
即答…!?
「こっちがやだです。ほらアイドルでしょ?離れなさい。」
「もう、それ言われちゃ俺もお終いだよー。」
そんなこんなで翔さんはやっと私から離れた。
それにしてもまるで小学生みたいだ。
いや、幼稚園児レベルかもしれない。
その時私の前に影ができた。
誰だろう…?
前を向いてみるとそこには伊集院さんがいた。
「何でここに!?」
思ったことが口に出てしまう。
「良いから付いて来て。」
そう言われ連れて来られたのが、この間修羅場になったあの場所だった。
「懐かしいわね。」
「そうですね。」
本当はこの場所に「懐かしい」なんて言葉は似合わなかった。
理由はこの間の修羅場は約1カ月前の事だったからだ。
「あのそれで…」
私は機嫌を損なわないように恐る恐る聞いてみた。
「ああ、そうね。あのね…」
「はい…」
私達の周りはシーンと音が聞こえるくらい静かになる。
「翔は私の大切な人なの。だから貴方が興味が無いなら早く振ってあげていただけないかしら?」
「どうしてですか?」
何故か聞いてみたくなった。
「それじゃあ翔が哀れなだけじゃない!翔は本当に貴方に夢中なの。なのに貴方は答えを出さない。そんなの振り回されてるだけだわ!」
「私は答えを出しました。」
「そう…なんて…?」
さっきまで強気だった伊集院さんの肩が急に小さく見えた。
「『ごめんなさい』と。」
「そ、そうなの…なら何で翔はまだ貴方に?」
「分かりません。私も「好きだからだよ。」
か、翔さん!?
そこには翔さんがいた。
「どうしてここに!?」
「いやー心配になってね。またこの間みたいなことが起きたらどうしようかって…」
翔さんは低い声でそう言うと伊集院さんを冷めた目で睨んだ。
それをされた伊集院さんは今にも泣き出しそうな顔をしていた。