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Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【11/18更新】 ( No.117 )
日時: 2013/11/22 14:21
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

「桜子ちゃん!!」


俺は必死に桜子の所へ走った。

生きててくれて良かった…
本当に良かった…
だけど———

その時桜子は今にも消滅してしまいそうな顔をしていたんだ。
今までキラキラと輝いていた目も空洞みたいになってね。


「ぃ、や……じゃない……わ…たし…じゃ…ない……」


桜子は何かをブツブツ言っていた。
それを見かねた黒川さんは強く抱きしめると「お嬢様、行きましょう。」と言いそのまま去ってしまった。

俺はその日一睡も出来なかった。

桜子ちゃんはこれからどうなるんだろう…

そんな事ばかりが頭の中に浮かんでは消えた。


———次の朝


———ピーポーン


家のチャイムが鳴った。
ベットから起き上がり時計を見てみると針は9を指していた。

もう9時かぁ…

結局寝れないまま朝を迎えた。

しかしこんな朝から誰だろう?

急いで玄関に向かうとドアを開けた。
するとそこには———


「桜子ちゃん…」


笑顔でいっぱいの桜子がいた。
その笑顔はまるで昨日のことが無かったかのように思えた。

もしかしてアレは夢だったの…?
ううん、違う。
今でもパジャマには煙の匂いが残っている。
ならどうしてこんなにも普通なのだろうか。


「翔君、遊ぼっ!」

「えっ…でも…」

「えー、何でー!昨日約束したでしょう?あっ、もしかして用事出来ちゃったの?」


桜子ちゃんじゃない…

不思議とそう思ってしまう自分がいた。